Intelは「Core i9」プロセッサを準備中とのうわさだ。Threadripperや最速のRyen 7と競合するこのプロセッサも、Computexで発表されるとみられている。これらのプロセッサの問題は、これほどのコアやスレッドのメリットを生かせる消費者向けアプリケーションがまだあまりないことだ。
AMDは下半期中に、ローエンドのプロセッサ「Ryzen 3」と、新たなGPU「Vega」を含む「Ryzen Mobile APU(Accelerated Processinig Unit)」をリリースする計画だ。これらは、現在のAMDのモバイルプラットフォームベースのノートPCよりもCPU性能は50%、グラフィックス処理性能は40%向上し、バッテリー持続時間は長くなる。企業のデスクトップPC向けの「Ryzen Pro」プロセッサも年内に登場し、2018年上半期にはそのモバイル版が出る見込みだ。
AMDの現在のGPU「Polaris」はローエンドおよびミッドレンジのグラフィックスカードを対象にしているが、同社は間もなく、NVIDIAの最速GPUと競合するよう設計された「Vega」をリリースするとみられる。「Radeon Vega Frontier Edition」と呼ばれる最初のVegaカードは、6月下旬発売の見込みだ。このカードはハイエンドゲームよりはディープラーニング向けだ。この市場がいかに急速に重要になっているかを示すものだ。
AMDはこの新GPUの完全な仕様は発表していないが、現在分かっている仕様は、64基のコンピュートユニット、16GバイトのHBM2メモリ、スループットは480Gbpsで、単精度浮動小数演算性能は12.5テラフロップス、ディープラーニングアプリケーションの16bit浮動小数点数演算性能は25テラフロップスだ。これなら、NVIDIAの「P100」(単精度浮動小数演算性能は9.3テラフロップス、16bit浮動小数点数演算性能はは18.7テラフロップス)に十分勝てる(AMDは例えば、Frontier Editionが中国検索大手Baiduによるベンチマーク「DeepBench」でP100に勝ることを示した)。だが、NVIDIAが5月10日にGPU Technology Conferenceで発表した新GPU「Tesla V100」には及ばない。このGPUは、単精度浮動小数演算性能は15テラフロップス、ディープラーニングでは、最適化した「Tensor Core」の効果で混合精度(16および32bit)で120テラフロップスを叩き出す。
Radeonグラフィックスグループを統括するRaja Koduri氏は、Vegaには競争力があるが、「NVIDIAや他社に勝利宣言するつもりはない」と語った。AMDはまた、映像分野向けの「Radeon Pro Vega SSG(Solid-State Graphics)」カードも発表した。16Gバイトの広帯域メモリと2テラバイトのNVMe SSDを搭載する。
全体的には、AMDは競争力のあるラインアップと明確なロードマップにより、IntelとNVIDIAから市場シェアを取り戻すと強調した。最高技術責任者(CTO)のMark Papermaster氏は、2つの「飛躍」チームに並行して2つの設計に取り組ませていると語った。AMDはx86のロードマップは見せたが、2020年までに、7ナノメートルの「Zen 2」と7ナノメートル+の「Zen 3」をリリースし、ワット当たりの性能を着実に改善していくこと以外の情報はほとんどなかった。
グラフィックス関連では、2つの世代のVega(14ナノメートルと14ナノメートル+)とそれに続く7ナノメートルの「Navi」シリーズ、そして7ナノメートル+の「次世代GPU」がロードマップにある。こちらも詳細は不明だ。AMDは7ナノメートルチップの製造にはGLOBALFOUNDRIESとTSMCの2社を使う計画という。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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