AMDが米国時間4月10日、Niteroの知的財産とエンジニアリング関連の主要な人材を買収したと発表した。Niteroは、ワイヤレスな仮想現実(VR)および拡張現実(AR)システム向けのチップを手がける企業だ。買収の条件は明らかにしていない。
Niteroは、ルームスケールのVR環境においてマルチギガビット伝送を低レイテンシで実行できる、フェーズドアレイ式ビームフォーミング技術を用いたミリ波チップで知られる。有線VRヘッドセットに用いられる従来型の高周波ミリ波システムでは、送受信間に遮蔽物のない環境を必要とするが、ビームフォーミング技術はその要件をなくすカギとなる。
これまで、VRおよびAR分野におけるAMDの取り組みは、VR対応PCに搭載されるCPU製品を中心に展開してきた。今回の買収により、同社はワイヤレスVR分野に向けて舵を切る。ワイヤレスVRは、VRヘッドセットの最終目標と広くみなされている分野だ。
AMDの最高技術責任者(CTO)兼シニアバイスプレジデントのMark Papermaster氏は、声明で次のように述べている。「ヘッドセットの邪魔なケーブル類は、VRの普及促進の大きな障害となっている。新たに買収したワイヤレスVR技術は、この問題の解決に特化している。また、より没入感のあるコンピューティング体験を作りだす高性能コンピューティングおよびグラフィック技術の開発を目的とした、AMDの長期的な技術投資の新たな一例でもある」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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