Microsoftは、米連邦捜査局(FBI)から内密に召喚状を受け取っていたことを明らかにした。FBIはその中で、ある顧客の個人情報を渡すよう求めてきたという。
Microsoftは米国時間4月13日のブログ記事で、この召喚状(2014年に送付されたいわゆる「国家安全保障書簡」、National Security Letter:NSL)を受け取ったものの、かん口令が敷かれていたため、同社も他の誰も、その内容を当該顧客にさえ明らかにできなかったことを認めた。
この召喚状は、顧客データの提出について、判事や裁判所による承認を必要としない。
FBIがこの顧客のアカウントから具体的に何を求めていたかは不明だ。現行の法律では、NSLはあらゆる種類のメタデータを照会できるが、裁判所命令が必要な通話記録や電子メール、その他のメッセージの内容は照会できない。
Microsoftによると、このNSLは、以前に発行した透明性レポートの集計データに含まれていたという。
米国家安全保障局(NSA)の元契約職員Edward Snowden氏によるリークを受け、情報機関改革の一環として2015年に成立した米国自由法(USA Freedom Act)の規定では、FBIに対し、NSLに付帯された口外禁止命令を定期的に見直すことを義務づけている。そのこともあって、Facebook、米Yahoo、Cloudflareによる問題提起を含め、書簡の詳細が初めて公開されることになった。
Microsoftで企業の責任に関する担当ディレクターを務めるSteve Lippman氏は、次のように述べている。「調査には機密性が不可欠な場合もあるが、秘密保持命令がいたずらに用いられたり、あるいは不必要に無期限とされたりすることで、何年も前に調査が終わっているケースでも、個人情報の照会について当社から顧客に伝えられない場合があまりにも多い」
Microsoftは2016年下半期に、外国諜報活動偵察法(Foreign Intelligence Surveillance Act:FISA)の下で、前年同期より多くの秘密保持命令を受け取ったが、影響を受けたアカウントは減少したことも明らかにしていた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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