検索大手のGoogleがWikiLeaks職員3人による電子メールのやりとりの詳細を米政府に提供していたことを2年半も経ってから当事者の3人に明かしたことについて、WikiLeaksが、その理由を説明するようGoogleに求めている。
WikiLeaksはこのほど、Google会長のEric Schmidt氏と米司法省(DOJ)に書簡を送り、Googleが電子メールとメタデータを米政府にWikiLeaks職員に対する捜査の一環として提供したことに抗議した。
令状の詳細が明らかになったのは、Googleが米国時間2014年12月24日になってWikiLeaksのSarah Harrison氏、Joseph Farrell氏、Kristinn Hrafnsson氏に対し、個人用アカウントの内容を米政府に提供していたと本人らに通知した後のことだ。
WikiLeaks側の訴えは、主にGoogleが3人の職員へ早期に通知しなかったことで、この3人はプライバシー保護法の下でプライバシー上の権利を守ることができなかったというものだ。
WikiLeaksは、同サイトのジャーナリストは内部のコミュニケーションや情報筋とのやりとりにGoogleのサービスは使用していないとしている。
令状に従って、Googleにはかん口令が敷かれており、同社はDOJの捜査対象者に対して、同捜査に関する情報を一切明かすことができなかった。とはいえ、WikiLeaksは、Googleがそれでも、Twitterが2011年に実行したように、この制約に抵抗することはできただろうと主張している。Twitterはこの年、米陸軍兵士のChelsea Manning氏により多数の機密文書が漏えいされた事件に関連して、Julian Assange氏を含む複数の人物が捜査対象となったことを暴露した。この件では、Twitterの法務部門がかん口令をなんとか解除させている。
米人権団体Center for Constitutional RightsでWikiLeaks担当の弁護士らは、Schmidt氏宛ての書簡に「Googleが2年半もの間、登録ユーザーの記録開示を求める捜査令状が発行されたことを、それらのユーザーに通知しなかったことに驚き、動揺している」と記した。
また、この書簡では、Assange氏の要求の概略にも触れられており、捜査令状が存在するなら、WikiLeaksはその知らせを受ける必要があると、Googleは主張すべきだとしている。Schmidt氏は、この要請を同社の法務顧問に伝える意向であると認めている。
WikiLeaks側の弁護士は、Googleに米政府に提出したあらゆる資料と、係争中の訴訟の詳細を記した全リストの提出を求めている。また、同社が取った行動について3人の職員に知らせるのに、なぜこれほど長い時間がかかったのかについても説明を求めている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したもので す。
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