スクフェスのテーマとなっているラブライブ!は、9人の生徒が活躍する姿を描いたスクールアイドルプロジェクト。CDや雑誌連載、TVアニメをはじめとしてオールメディアで展開しているほか、作中のキャスト陣が同じグループ名を冠し、自らステージでアニメMV(ミュージックビデオ)と同じパフォーマンスを行うライブも特徴となっている。
立ち上げ当初から長く展開しているμ’sは、秋葉原、神田、神保町に挟まれた地域にあるとされる音ノ木坂学院を舞台に、廃校の危機から救うために高坂穂乃果を中心とした9人の生徒で結成されたもの。2010年からプロジェクトを開始し、以降さまざまな展開によって人気が拡大。劇場アニメの上映のほか、キャスト陣による第66回NHK紅白歌合戦の出場、東京ドームのワンマンライブ開催などで話題を巻き起こしたのも記憶に新しいところだ。
ラブライブ!におけるコンセプトは“みんなで叶える物語”。プロジェクト初期から公募や投票などの読者参加企画を数多く行っている。スクフェスにおいてもユーザー投票企画が行われており、お気に入りのメンバーに対して思いを表現できる、なんらかの形でユーザーの声が反映されるのも特徴となっている。
ちなみに筆者がμ’sのなかで最もお気に入りのメンバーといえるのが、音ノ木坂学院の1年生の星空凛だ。スポーツが得意で、考えるよりも体が先に動くような活発な女の子。しゃべるときに「にゃ」「にゃー」といった語尾になるのが特徴で、ネコのような人懐っこさもある。ちなみに好きな食べ物はラーメン。メンバーのなかでも、同じ1年生の小泉花陽とは特に仲がいい。
スクフェスの配信以降、現在でも数多くのカードイラストが描かれ、さまざまな凛の姿を見ることができる。もちろんSSRのカードも登場。ほかにもゲーム内イベントにおいて凛のカードが報酬として用意されているほか、ソロ曲のタイトル名が、そのままイベント名になったものもある。
凛の素顔はさまざまなところで描かれており、スクフェスでもメインストーリーやサブストーリで見ることができる。直近では第40章の「子猫のシュシュ」では、親猫とはぐれて校内に紛れ込んだ子猫を、「シュシュ」と名付けてμ’sが一時的に飼うお話が印象的。親猫のことを思うがゆえに最初は飼うことを反対したり、“猫仲間”と言ってしまうほど、シュシュと接しているときに笑顔になっている姿が見られるなど、凛の猫好きなところが垣間見えるようになっている。
筆者個人として、μ’sの活動、そして凛の姿を見ているなかで、これまでを振り返ると思い出深い出来事がいろいろある。穂乃果とのユニットCD「Mermaid festa vol.2 ~Passionate~」に収録されているミニドラマでは、年頃の女の子であれば躊躇するような方法で“ダーリン”を起こそうとする天然さのインパクトはとても大きかった。また、凛を表現するような顔文字「>ω</」が、TVアニメのサウンドトラックCDに収録されているトラック名として使われ、「テンション上がるにゃ!」と読むといったこともあった。
とかくTVアニメでは元気いっぱいな凛の姿が描かれているほか、エンディングではマラカスを楽しそうに振っている光景も思い出される、またTVアニメ1期第4話「まきりんぱな」における、花陽をスクールアイドルへ後押しする姿もさることながら、回想シーンにおける小学生時代の凛がとてもかわいいというのも思い出としてある。そしてなにより“凛ちゃん回”というべきTVアニメ2期第5話の「新しいわたし」における、女の子らしさに自信がないというコンプレックスが克服されるエピソード、そして挿入歌「Love wing bell」をウエディングドレス風の衣装で歌う姿は、今思い出しても涙腺が緩む。そしてそれを再現したようなワンマンライブ「ラブライブ!μ’s Go→Go! LoveLive! 2015~Dream Sensation!~」でのステージも、とても印象的だった。
スクフェスのメインストーリー第47話「9人の奇跡」では、なかなかメンバーが集まれない状況のなかで、9人一緒でいることの大切さと喜びが描かれている。それを見ていると、きっと今でも凛は花陽をはじめとしてメンバーと一緒に日々を過ごしつつ、ちょっとかわいらしさも出しつつ、μ’sのポジティブ担当として明るくふるまったり、ステージで躍動しているのではないか、と感じている。明るくて元気、素直で無邪気。でも女の子らしさに自信がなく、スクールアイドルに向いてないと思っていた凛が、メンバーとの活動のなかで成長する姿を、さまざまなメディアを通して見ることができたのは筆者個人としてもよかったと振り返って思うことだ。
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