全米レコード工業会(RIAA)は米国時間3月30日、音楽ストリーミングによる収益が、2016年に初めて米国大手レコード会社の売上高の5割超を占めたと述べた。かつて最大の割合を占めたデジタルダウンロードは過去最大の減少幅を示し、ストリーミングに抜かれることになった。
このデータからは、音楽ストリーミングの急速な普及がうかがえる。1年前には、米国市場売上高に占める両者の割合はほぼ同じだった。
RIAAによると、米国における2016年のレコード音楽年間売上高は11.4%増加して77億ドルに達し、1998年以来最大の伸びを示したという。これだけ増加したにもかかわらず、音楽業界はまだこの15年間のダメージから回復してはいない。売上高は、CDの全盛期だった1999年の約半分にとどまっている。
「Apple Music」や「Spotify」など有料サブスクリプションの売上高は23億ドルで、ストリーミング最大の収益源となり、基本的に前年から倍増したとRIAAは述べた。
これには、広告を削除するための月額料金を支払う「Pandora Plus」会員や、音楽ストリーミングを含むサービスに加入する「Amazon Prime」会員などが支払う「限定サービス」のサブスクリプションは含まれていない。これらの限定有料サービスのサブスクリプション料金として2億2030万ドルが、上記の2016年のサブスクリプション売上高に加算される。
ストリーミング売上高で2番目に大きな割合を占めるのは「Pandora」などのオンラインラジオで、約10%増加して8億8390万ドルだった。Spotifyの無料版や、 YouTubeまたはVevoで視聴する音楽ビデオなど、広告収入型のストリーミングによる売上高は、25.8%増の4億6900万ドルだった。
一方、Appleの「iTunes」ストアなどのダウンロード売上高は、21.6%減少して18億ドルだった。
シングルとアルバムの両方のダウンロードが減少したが、ユーザーはアルバム全体をダウンロードする傾向がこれまで以上に高くなっている。アルバムは、ダウンロード総数の49%と過去最大の割合を占めたという。
CDが圧倒的多数を占める物理メディア販売は、昔ながらのレコードを除くすべてのカテゴリで減少し続けている。LPとEPの販売は1.8%増加した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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