3月中旬。例年この時期になると、Appleがいつになく静かであれば特に、テクノロジ業界人やブロガーがそわそわし始める。何かニュースがあるはずだ。何か書くことがあるはずなんだ。
故Steve Jobs氏が建てた館から具体的なニュースが何も発表されない中、さまざまなうわさが浮上し、“エコーチェンバー”はフル稼働だ。
だが正直に言って、これはネタがなくてもアクセスをかせぎたいメディアが必死になっているだけの話ではない。なぜなら、AppleのデスクトップMacは今や相当古くなっており、多くのMacユーザーが、あと数カ月(新モデルが出るのを)待つか、Windows陣営に寝返るかを決断しようとしているからだ。これは深刻な問題だ。Appleがデスクトップのハイエンドモデルを最後にアップグレードしたのは40カ月以上前だ。
この深刻で、金も時間も掛かる決断を迫られ、Appleの顧客は留まるべきか否かを予測しようとしている。決断のための洞察を助けるために、これまでのAppleの発表の歴史を厳密に分析することにした。
分析に当たって、Appleが投資家向けウェブサイトで開示したイベントデータに基いてスプレッドシートを作成した。シートには、2007年から10年間の合計26回のAppleの発表イベントのデータがまとめてある。
これらのイベントが解析の対象で、変数はイベントへの招待日、イベント開催日、イベント開催の季節、イベントで発表された製品カテゴリだ。
なお、年次開発者会議の「WWDC」は含めなかった。ここで問題にしているのは新しいハードウェアが発表されるかどうかだからだ。6月開催のWWDCでは通常、開発者が自分のアプリをアップデートできるように、「iOS」と「macOS」の次期バージョンが披露される。
季節というのは地球の南北どちらの半球に住んでいるかによる。私は北半球にいるので、ここでは北半球の四季を使おう。四季は月でくっきり分けられるものではないが、ここでは便宜上、以下のように定義する。
下の円グラフが示すように、Appleは秋には春の2倍イベントを開催し、冬と夏にはほとんど開催しない。
Appleは毎年、平均2.6回イベントを開催する。開催回数はここ数年減少しており、2016年には2回から3回へとわずかに増えた。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」