春のイベント数が秋よりかなり少ないことから、次のような疑問が生じる。前年のイベント数から、翌年の春にイベントが開催されるかを予測する方法はあるだろうか? つまり、ある年のイベント数とその翌年の春に製品発表があるかどうかに相関関係はあるだろうか?
これを調べるために、ある年のイベント回数とその翌年の春にイベントが開催されたかどうかについての線形回帰分析を行ってみた。以下がその分析結果だ。
イベント回数の係数のスロープ値がネガティブであることから、前年のイベント回数が増えると翌春にイベントが開催される可能性は減ると示されている。係数はマイナス0.16なので、イベント回数が増えると翌春のイベントの可能性はだいたい16%下がる。とはいえ、ベースにしているのはたかだか過去10年のデータだ。
これで意味のある統計的結論が出るのかという疑問が生じる。そこで、p値を使う。今回の分析のp値は0.387だ。p値の重要性は必ずしも5%ルールに基づかなくてもいいとはいえ、一般にp<0.05であれば帰無仮説を棄却する。ここでは、帰無仮説はこの結果はわれわれが探している答えではないことを意味する。
0.387というp値は0.05より大幅に高いので、帰無仮説を捨てるのは不可能だ。ここまでの計算が意味するのは、統計的には前年のイベント開催数と翌年の春にイベントが開催されるかどうかは関連付けることができないということだ。
この疑問を解明するために、イベント開催日ではなく、Appleが招待状を送る日に着目してみよう。Appleは平均してイベント開催の8.6日前に開催を予告する。そうすると、3月21日までにイベントがある可能性は低い。だが、3月中にイベントが告知される可能性はまだある。
Appleが何月にイベントを開催してきたかをまとめた。以下の円グラフを見ると、Appleは過去10年間、6つの月(1、3、4、8、9、10月)にのみ発表イベントを開催していることが分かる。春は3月と4月にしか開催していない。そして、4月より3月の方が可能性が高い。
Appleが4月初旬にイベントを予定しているといううわさがある。その根拠は、Appleは4月初旬に新しい“宇宙船”キャンパスを公開するとみられており、それに合わせてキャンパス内の円形劇場で初の製品披露イベントも開催されるのではないか、というものだ。
その可能性はある。また、新キャンパスの、あるいは新しい円形劇場の準備が間に合わなければ、Appleは伝統を破って5月にイベントを開催するという可能性もある。
いずれにしても、Appleの春のイベントシーズンはまだしばらくある。
春にイベントがあるとして(まだ可能性は十分あるので)、新しいMacは発表されるだろうか?
「Mac mini」や「Mac Pro」など主要製品のアップグレードが切実に望まれていることは別として、Appleが新Macを発表した過去8回のイベント中、春に開催されたのは1回だけだ。従って(すでに時期が過ぎているとはいえ)新Macの発表はなさそうだ。
だが、断言はできない。スプレッドシート上の数字分析はしょせん紙の上でのものだ。ただの数字だ。Appleは大量亡命を阻止するためにデスクトップMacを刷新しなければならないという非常に強い緊急の必要性を抱えている。従って、従来のパターンから外れるとしても、来月か再来月にMacを発表する可能性はある。
もっと可能性が高いのは「iPad」の発表だ。過去8回のiPadの発表の中、半分は春だった(この中に1月のイベントも1つ含めている)。つまり、Macの発表の可能性はわずか12%で、iPadの可能性は五分五分ということだ。
さらに、直近7回のAppleのイベント中、5回で「Apple Watch」の発表があったので、Apple Watchに関する何らかの発表がある可能性も高い。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
「程よく明るい」照明がオフィスにもたらす
業務生産性の向上への意外な効果