--それほど高い期待を掲げたら、人々をがっかりさせてしまうかもしれない、とは思いませんか。
あなたの質問はごもっともです。そのことは、われわれが当初、HoloLensを開発者キットと呼んだ理由の1つでもあります。あえて(その言葉を)選んだのは、われわれが学べるようにするためでした。最初の披露を急いで、お客様をがっかりさせないためでもありました。
私はファンベースの構築に携わっています。人々に当社の製品を愛してもらいたいと思っていますし、このコミュニティーを作り上げていきたいと思っています。それは私たちが団結して臨まなければならない旅であり、ある意味で長期的な取り組みだと私は考えています。われわれは全く新しいものを学ぼうと試みており、第一印象を台無しにしてしまう可能性があるところに向かって急ごうとしないのは、そのためです。
--これは明らかに非常に複雑なハードウェアとソフトウェアのシステムですよね。ユーザーインターフェースや数々のセンサ、スクリーンなど、大変多くのものが含まれます。最も開発が難しかったのは何ですか。
手短に答えると、はい、そうです(笑)。難しかったのはすべてです。その質問は、簡単だったのは何ですか、と尋ねるようなものです。HoloLensに恋すること、それ自体は簡単でした。それ以外のすべてのことは、とてつもなく難しいことです。そしてその難しいことを奇跡的に可能にするのが、マーケティング、OS、体験、光学、電気、そして、サイエンスフィクションとサイエンスリアリティを実行するアルゴリズムを担当する統合チームなのです。ホログラムの画像をテーブルの上に表示するという単純な作業にも、そのすべての要素が必要になります。
われわれはお互いに協力し合い、情報を交換し合います。すべてのことが困難だからです。われわれはレンズを発明しなければなりませんでした。センサを作り出す必要もあります。それから、まだ存在しない独自のシリコン上ですべてのデータを結びつけ、実行する必要があります。われわれのホログラフィック処理ユニット(HPU)はそうして生まれました。
それは完全なコンピュータです。それを小さな端末に搭載して頭に装着することを考えてみてください。この端末にはファンを搭載することもできません。おとなしく自分で冷やす必要があります。このすべてを管理するOSは、全く新しいものです。それをタスク重視ではない(現実世界を重視した)全く新しい筐体に搭載します。その筐体にはさまざまなものが存在し、自分もその体験に加わります。小さなチェステーブルの上に小さな飛行機が飛んでいる状態を作り出そうとします。その2つを同じ場所に共存させるのです。それを実現しようとすると、レンダリングのやり方が変わります。アプリモデルが変わります。われわれが持っているこれらのツールすべてが変わるのです。
(そしてそれは、)新しいマーケティング方法が必要になることを意味します。どのように位置付ければいいのか。人々に対して、どう定義すればいいのか。どのように発表すればいいのか。すべてが非常に複雑です。高い利益を維持しながら、決まった規模で製造し、決まった価格を実現するには、どうすればいいのか。数年前、この種の端末の価格は何十万ドルもしました。それでは、10倍高性能で、何十万ドルもの価値がある製品を、3000ドルで販売するにはどうすればいいのでしょうか。こうしたすべてのことを考えると、質問に対する答えは、すべてが複雑でありながら楽しい、ということになります。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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