Microsoftは複合現実(mixed reality:MR)ゴーグル「HoloLens」を発表して以来、コンシューマーと法人向けに同デバイスの使用法を紹介してきた。
同社はこのほど、可能性のある斬新な活用法を示す映像を新たに公開した。同社の研究者が「Holoportation」と名付けた技術による、コミュニケーションデバイスとしての使用法だ。
米国時間3月25日、Walking Cat(アカウント名は@h0x0d)を名乗るユーザーが、Holoportationのデモ映像のリンクをTwitterに投稿した。同氏は、この映像がHoloLensクリエーターのAlex Kipman氏が2月に「TED Talk」でホログラフィックコンピューティングについて語った際に披露したものと同じ技術かもしれないと述べている。
Holoportationの詳細は、Microsoft Researchのウェブサイトで公開されている。Microsoft幹部は、この技術を「人物を高品質の3Dモデルにして、世界中のどこでもリアルタイムで再現、圧縮、転送することを可能にする新しいタイプの3Dキャプチャ技術」と表現している。
「この技術をHoloLensなどの複合現実ディスプレイと組み合わせることで、ユーザーは3Dで撮影されたリモートの参加者とともに、実際にそれぞれの物理空間に相手が存在するようにして対話ができる。リモートユーザーとの言葉や動きを使ったやりとりは、対面でのコミュニケーションと同じくらい自然になっている」(同ウェブサイト)
公開されたHoloportationのデモでは、HoloLensが撮影した3D画像が現実の世界に投影される。2人の参加者は実際にはそれぞれ別の場所にいるのだが、まるで同じ空間に存在するかのようだ。
Holoportationプロジェクトは、Microsoft ResearchのInteractive 3D Technologies(I3D)チームが手がけるプロジェクト。Microsoft Researchのページによると、I3Dチームは「3Dグラフィックス、コンピュータビジョン、機械学習、新しいハードウェア、拡張現実、NUI(Natural User Interfaces)に関する技術を組み合わせたプロジェクトに取り組んでいる」という。
I3Dチームのメンバーはこれまで、「Kinect Fusion」「HoloDesk」などの、類似のテーマに基づいた研究プロジェクトに従事していた。I3Dのページには、同チームの「研究テーマ」が、リアルタイムのトラッキングと再合成を実現する複合現実、現実の世界をキャプチャするための新しいカメラの設計のほか、映し出された物体の物理的な特性を推測する新しいアルゴリズムの作成に関連するものであると記されている。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」