サイバーエージェントは11月9日、同社が運営する動画広告に特化した研究機関「オンラインビデオ総研」とデジタルインファクトが共同で、国内動画広告の市場動向調査を実施したと発表した。インターネットを通して配信される動画広告の年間広告出稿額を推計し、市場規模予測を算出している。
動画広告市場推計(デバイス別)を調べると、スマートフォン端末によるユーザーの動画視聴は増加を続けており、2015年から2016年にかけて、ソーシャルメディア上での動画コンテンツの提供が急速に進み、動画視聴のスマートフォンシフトをさらに後押ししていることがわかる。
また広告主は、自社商品やサービスのブランディング需要以外にも、スマートフォンアプリゲームのインストール促進をはじめとした、商品・サービスの購買促進などのダイレクトレスポンスを目的とする動画広告の出稿需要が急増している。
これらを背景に、2016年の動画広告市場規模は、前年対比157%となる842億円に達する見通し。また、これらを牽引したスマートフォン動画広告需要は、前年対比約2倍の成長を遂げる576億円に拡大し、動画広告市場全体の約7割を占める見通しだという。今後、中長期的に、スマートフォン動画広告需要の拡大が市場成長を牽引し、2020年には2309億円、2022年には2918億円に達すると予想している。
動画広告市場推計(広告商品別)を調べると、数年前まで大手動画配信サイトに集約されていた動画広告において、スマートフォンやソーシャルメディアでの動画視聴を前提とした新たな商品の提供が進み、広告主の選択肢が多様化されたことによる需要の分散化が進んでいる。
2016年は、引き続きインストリーム広告が市場全体の52%を占める439億円に成長。主流は変わらないものの、インフィード広告とインバナー広告を合計したアウトストリーム広告と呼ばれる広告商品の需要が急増した。
特に、スマートフォンでのユーザー体験を損なわない広告フォーマットの普及に沿い、インフィード広告の需要が著しく急増しており、2016年は197億円、前年比約2.5倍の成長となる見通し。なお、2022年には5倍超成長の1018億円に達すると予測されている。
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