ソニーはもっとうまくやらなければならない。筆者はこの数年間、ハイエンドモデルから一番ベーシックなモデルまで、同社のさまざまなスマートフォンをレビューしてきた。「Xperia」シリーズが落ちぶれていくのは見たくない。だが、真実は残酷だ。率直に言って、Xperiaはライバルに後れを取っている。例えば、この「フラッグシップ」とされる「Xperia XZ」を見てみよう。Xperia XZの外観は魅力的で、スクリーンの画質も素晴らしい。Xperiaシリーズは、サムスンがIP68に目をつける前から、防水機能を備えていた。
しかし、それだけでは、Xperia XZを買う理由にはならない。Xperia XZは高価だ(米国では687ドル)。Googleの「Pixel」やサムスンの「Galaxy S7」はそれと同等の価格、またはそれより安いにもかかわらず、Xperia XZよりはるかに高性能なカメラと持続時間の長いバッテリを搭載している。そのうえ、それらのスマートフォンの指紋リーダーは、世界中で機能する。一方、ソニーは何らかの妙な理由から、米国でXperia XZの指紋リーダー機能を無効にしている。Xperia XZにひどくおかしな要素はほとんどないものの、筆者の関心を引く要素もあまりない。1年前はソニーがスマートフォンのブランドとしてもっと高く評価されるべきと思っていたが、それと比べると大きな変化である。
Xperia XZはまずまずの「Android」スマートフォンだが、おそらくGoogle Pixelや「OnePlus 3」、Galaxy S7の方が親しみがわくだろう。Xperia XZはさまざまなタスクをそつなくこなすが、その際にユーザーを魅了することはない。
Xperia XZは基本的に2015年の「Xperia Z5」とほとんど同じだ。Xperia XZでは、側面のデザインが新たに丸みを帯びたものに変更されたので、若干持ちやすくなっており、角張った印象も薄くなった。背面パネルの素材はガラスではなくメタルを使用している。メタルと下側面のプラスチックの間に継ぎ目があるが、滑らかで、持ち心地もいい。
変更点は細かいものばかりで、紛れもないソニーの一体感のあるデザインが踏襲されているが、Xperia XZの外観と感触は前モデルより洗練されており、高級感がある。
Xperia XZは防水防塵性能(参考までに、IP68準拠)を備えるが、プールに沈めても大丈夫なわけではない。この防水防塵機能の狙いは、うっかり飲み物をこぼしたり、雨に濡らしたりしても、故障しないようにすることだ。Xperia XZは水中カメラではない。ソニーモバイルの米国サイトには、「この端末を完全に水没させたり、海水や塩水、塩素消毒した水、飲み物などの液体にさらしたりすべきではない。誤った方法や不適切な方法で端末を使った場合は、保証が無効になる」と記載されている。気をつけた方がよさそうだ。
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