大日本印刷(DNP)は7月11日、LGエレクトロニクス・ジャパンの曲面型有機ELディスプレイを使ったデジタルサイネージを提供すると発表した。約225インチの曲面型有機ELディスプレイを、DNP五反田ビルのショールームに導入した。LGディスプレイの曲面型有機ELディスプレイを使ったデジタルサイネージの導入は、韓国の仁川国際空港、南山タワーに続く3例目になる。
約225インチの曲面型有機ELディスプレイは、55インチの曲面型有機ELディスプレイを縦6面×横4面の計24枚を組み合わせた大画面デジタルサイネージ。上部に向かって弧を描くように画面が曲がっていくことによって、平面ディスプレイでは得られにくい没入感を体感できる。
100万対1の高コントラスト、広視野角、薄型、軽量などの長所を持つ有機ELディスプレイは、曲面にすることで、インパクトを与えられるほか、今まで導入が難しいと考えられていた場所への設置が可能になるなどのメリットを持つ。
LGエレクトロニクス・ジャパンの代表取締役社長である李仁奎(イ・インギュ)氏は「柱への巻きつけや天吊りなど、液晶ディスプレイではできなかった利用シーンが考えられ、デジタルサイネージの制約が変わる」とその実力を話した。
DNPでは、有機EL曲面タイプを使用したデジタルサイネージを10月に製品化する予定で、大型商業施設やショールーム、公共交通機関、オフィスビルへの導入を目指す。デジタルサイネージの設置、施行からシステム設計、コンテンツ制作、配信、運用、効果測定までトータルで提供するほか、有機ELディスプレイに適した高解像度、高品質な映像コンテンツの制作、販売も請け負うとのこと。DNPでは製品とコンテンツ、関連サービスをあわせ、2019年度までに20億円の売上を計画している。
価格は現時点では未定としているが、液晶パネルで同程度のシステムを組んだ場合に比べ、3~4倍程度に価格になる見込み。LGエレクトロニクス・ジャパンでは、55インチの曲面型有機ELテレビを一般販売しているが、耐久性などの面で製品が異なるとしており、民生機よりも高価格になるとしている。
大日本印刷の常務取締役である北島元治氏は「LGエレクトロニクスの持つ唯一の大型有機EL曲面ディスプレイを使用することで、液晶パネルでは実現できなかった場所への導入をサポートしていきたい。高コントラスト、薄型、軽量、曲面といった有機ELの特性をいかした導入を提案していく」と今後について話した。
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