今週のAppleの製品に関する最もビッグなニュースは、小さなものになるかもしれない。つまり、小型「iPhone」のことだ。
Appleは米国太平洋時間3月21日午前10時、カリフォルニア州クパチーノにある同社本社でイベントを開催する。同イベントでは、Appleの最も重要な製品シリーズであるiPhoneと「iPad」のアップデートも含め、端末関連の話がたくさんあると思われる。新型「Apple Watch」は期待しない方が良さそうだ。
Appleが同じ年に2回iPhoneを発表するのは、今回が初めてになる(「iPhone 7」とその大型版は2016年秋に発表されるとわれわれは今も考えている)。まもなく発表されるのは、現在「iPhone SE」という非公式名称で知られている4インチのiPhoneで、このモデルはAppleのiPhoneラインアップで最も低価格の新製品になる。
この端末は、消費者がスマートフォンに興味を失いつつある中で登場する。スマートフォンの販売台数は以前のようには伸びていない。市場調査会社IDCによると、2016年の全世界スマートフォン出荷台数はわずか5.7%増の15億台に留まる見通しだという。ほんの2年前の成長率28%と比べると、大幅な縮小である。
Appleが期待しているのは、小型で低価格のiPhoneによって、人々、特にインドなどの新興市場の人々が再び興奮してくれることだ。ただ、大物の発表を期待してイベントに臨んではいけない。
Piper JaffrayのアナリストであるGene Munster氏は、「より重要な発表、特に再設計されたiPhone 7は、9月のイベントで発表される可能性が高い」と述べた。
Appleはコメントを控えている。
Appleは2014年、4.7インチの「iPhone 6」と5.5インチの「iPhone 6 Plus」を発表して世間を騒がせた。この動きによって、同社はサムスンの「Galaxy」端末などの巨大な「Android」スマートフォンに対する競争力を取り戻した。
しかし、iPhoneの販売台数は鈍化しており、何年も前から端末をアップグレードしていないユーザーが未だに大勢いる。Kantar Worldpanelによると、米国で使われているiPhoneの半数以上は2年以上前のモデルだという。
そこで、小型のiPhone SE(「iPhone 5se」という名称になる可能性もうわさされている)の登場だ。iPhone SEは外観こそ「iPhone 5s」によく似ているが、内部にはiPhone 6や「iPhone 6s」と同じコンポーネントが搭載される見通しだ。「Apple Pay」モバイル決済サービスはサポートされると思われるが、「3D Touch」など、iPhone 6sの機能の一部は搭載されない可能性が高い。3D Touchは、ディスプレイを押す強さによってさまざまな操作を行うことのできる機能だ。
しかし、新型iPhoneに関して最も期待されていることは価格である。一部のアナリストは、iPhone SEの価格が350ドルに設定されることを期待している。ただし、UBSのアナリストであるSteve Milunovich氏は、たとえiPhone SEの価格が450ドル(iPhone 5sの現行価格と同じ)であっても、旧型iPhoneを所有するユーザーにアップグレードさせるには十分な価格だろう、と予想している。
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