蚊を媒介して感染するジカウイルスが2015年11月に中南米で大流行するまで、その地域以外でその病気について耳にしたことのある人はほとんどいなかった。それから4カ月が経ち、その状況は一変している。ジカウイルスは世界中で大きく報じられ、日常会話にも登場するようになった。
このウイルスは多くが謎に包まれたままで、そのことは世界中の医療関係者以外に限られたことではない。ジカウイルスは、識別や地域の特定が困難で、感染を封じ込めるのが難しい。
そこで技術大手Googleは、この病気を理解して感染拡大経路を予測することを目的に、同社の莫大な処理能力を投じることにした。同社は米国時間3月3日、国連児童基金(UNICEF)と提携し、この取り組みにエンジニアを割り当て、この目的に基づく同組織の活動を支援するために100万ドルを寄付するとブログ投稿で述べた。
カリフォルニア州マウンテンビューを拠点とする同社は、ウイルスの感染地域を特定して今後の拡大経路を予測するために、同社のデータクランチング能力を利用して、膨大なジカウイルス関連情報を大規模かつ高速に分析している。
エンジニアらは、気候や旅行のパターンに関するデータを収集して視覚化し、ウイルスの拡大経路を予測する。この情報は、UNICEF、各国政府、その他の非営利組織に提供され、各組織がそれを基に、時間とリソースを集中すべき箇所を判断できるようにする。
ジカウイルスが11月に中南米で発生して以来、この病気に対する検索が世界中で3000%増加したことを確認しているとGoogleは述べた。そのため同社は、Google.orgのディレクターを務めるJacqueline Fuller氏が「揺るぎない量」と表現する情報を同ウイルスに関して16の言語で検索結果に直接追加している。
「これらの取り組みが、この世界的な健康上の新しい緊急事態に対処するために役立つことを願っており、この世界的流行を食い止めるために引き続き、われわれの役割を果たしていくつもりだ」とFuller氏は述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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