これまでシリコンバレーやテキサス州オースチンの陽気な気候の下で自動運転車の走行試験を実施してきたGoogleだが、今度は雨の多いワシントン州カークランドに目を付けている。濡れた路面状況での運転性能を把握する上で有益なデータを提供することが狙いだ。
Googleがワシントン州を選んだ理由は天候だけではない。同州には自動運転技術に対する特別な規制がなく、州もこの技術を支援することを目指しているのだ。
ワシントン州知事Jay Inslee氏はGoogleが発表した声明の中で、「われわれは、自動運転車が走行するのを実際に目の当たりにできることを楽しみにしている。そして将来的に、自動運転車の安全性が向上し、交通渋滞の緩和をどのように実現できるか詳しく知ることを期待している」と述べた。
ワシントン州では、自動運転車をテストできる環境を整備する計画で、通常の道路交通関連法の適用を受けずに、あらゆるメーカーが自社の自動運転車を持ち込んでテストすることを歓迎している。これには、走行中に何か問題が起きたときに運転を代行できる乗員をテスト車両に乗せる要件も含まれる予定だ。
The Guardianによると、このテストセンターはル米軍のルイスマコード合同基地の用地に設置される予定だという。同基地は、Googleのカークランド事業所から50マイル(約80km)南にあり、8万5000エーカー(約344平方km)超の広さをもつ米国の一大軍事施設だ。
Googleの自動運転車部門でローカルオペレーション担当責任者を務めるJennifer Haroon氏は、カークランドが「テクノロジに好意的な都市」であることから、走行試験に向けて「自然な選択だった」と述べた。また、温帯気候にあることから「自動車メーカーは雨の影響をテストする機会が得られる」ほか、カークランドにはGoogleの大規模なキャンパスもある。
Googleは、当初はハイブリッドSUV「Lexus RX450h」1台のみで試験を実施する計画だとした。このテスト車両は側面に「Google」のロゴが配置され、同市内を走行する予定。また、必要に応じて運転を代行できるように、Google社員1名が同乗する。
Haroon氏によると、この自動運転車は「2015年末」からカークランド市内の道路を単独で走行しているが、制御要員としてドライバーが同乗しているという。Haroon氏は現地メディアSeattle Timesに対し、このLexus車両はこれまでに同地域の地図を作成してきたと述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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