Appleは米国時間2月3日、法廷闘争で痛手を受けた。テキサス州の連邦地方裁判所の陪審がAppleに対し、特許を保有するVirnetX Holdingに6億2560万ドルの損害賠償を支払うよう命じた。陪審は、Appleが人気の高いビデオチャットサービス「FaceTime」と仮想プライベートネットワーク(VPN)でVirnetXの技術を不正に利用したと判断した。
Appleはこの評決に対して控訴する計画だと述べた。
Appleの広報担当者は電子メールで次のような声明を寄せた。「当社の従業員はこの技術を何年もかけて独自に設計しており、当社はこの知的財産を保護するために特許を取得した。今回のようなケースは、特許制度改革が早急に必要であることをあらためて強く示すものだ」
この訴訟はAppleが関連する最新の法廷闘争にすぎず、同社はこれまでも特許侵害訴訟を経験している。Appleが提訴する目的は自社製品独自の機能と考えているものを保護するためだが、VirnetXなどの企業は製品を作っておらず、主に訴訟を通じて利益を上げており、パテントトロールとして知られている。
今回の訴訟は、AppleとVirnetXが2012年に争った陪審裁判のやり直しだ。この時はVirnetXが3億6800万ドルを勝ち取った。だが控訴裁判所は評決を覆し、再審を命じた。VirnetXは、特許ポートフォリオをめぐってMicrosoft、Cisco Systems、Avayaなども提訴している。
VirnetXの株価は4日、Appleへの評決を受けて50%上昇した。損害賠償金がこの小さな企業の市場価値より高額だったからだ。Appleの株価に目立った変化はなかった。
Appleに多額の損害賠償が科せられたことは、米政府がパテントトロールを根絶するか、または少なくとも打撃を与えるには、まだ長い道のりを要することを意味するのかもしれない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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