今回のレビューは、10月13日に出荷が開始された21.5インチiMac Retina 4Kディスプレイモデルをご紹介する。このマシンを店頭で一目見た瞬間に、多くの人々にデスクトップの「良さ」の再発見し、コンピュータがある生活を見直すきっかけを与えてくれるかもしれない。
iMacは、初代Macintosh以来のオールインワン型デスクトップのスタイルを踏襲した、Apple復活の象徴ともいえるマシンだ。
Appleのラインアップとして最上位にはMac Proが君臨するものの、プロセッサやグラフィックスの品質向上、より高い品質のディスプレイの搭載、シンプルで省スペース性に優れたデザインにより、プロにからも家庭でも選ばれる存在になった。
特により小型ディスプレイを搭載するノートブック型のMacが販売の主体に移ってきた昨今においては、「極上のMac体験」ができる存在である。
ちょうど1年前、Appleは27インチのiMacに、Retina 5Kモデルを導入した。当時、5Kディスプレイだけで25万円というプライスタグがつけられていたことを考えると、オールインワンで同等の価格というのは破格に見えた。その27インチモデルは2015年にすべてのモデルがRetina化された。
今回の21.5インチのRetina化によって、iMacのRetina化が貫徹されたというわけだ。
21.5インチのiMacについては、最もお手頃なモデルこそ今後も非Retinaモデルとして残すかもしれないが、基本的には全Mac製品のRetina化を推し進める方針になるとみられる。これで、RetinaディスプレイをラインアップしていないMacは、MacBook Airのみとなった。
Retina 4KディスプレイモデルのiMacは、米国では1499ドル、日本では17万2800円(税別)からとなっている。基本モデルは2015年の前半のリリースとなったBroadwellアーキテクチャの3.1GHzクアッドコアIntel Core i5プロセッサ(Turbo Boost使用時最大3.6GHz)、オンボード8Gバイトメモリ、5200rpmの1TバイトHDDという構成だ。
プロセッサは3.3GHzのCore i7へ、メモリは16Gバイト、そしてストレージはFusion Driveやフラッシュストレージを選択できる。
また、別の記事でレビューするが、ワイヤレスキーボード、マウス、トラックパッドは刷新され、電池式から充電式へと変更された。数分で1日分のバッテリを給電できる効率性も兼ね備えている。プラス料金として5300円かかるが、より広くなり感圧タッチに対応したMagic Trackpad 2を選択するとよいだろう。
近年、AppleはMacのデザインを大きく変更していない。2015年はより薄く軽量活Retinaディスプレイを搭載したMacBookを登場させたが、MacBook Pro、MacBook Air、Mac mini、Mac Proのデザインは変更されていない。このiMacも同様だ。
本体はスタンドで宙に浮いており、その下のスペースが利用できる。デスクトップながら省スペース性に優れた「完成されたデザイン」もiMacを使う醍醐味だ。エッジは5mmと非常に鋭く、ディスプレイだけが目の前にあるデザイン。しかし背面は、ブラウン管を彷彿とさせる曲面を描いており、この膨らみの中にコンピュータが埋め込まれている。
セットアップする際は、電源ケーブルを1本差し込むだけで使い始められる。マウスもキーボードも、標準ではワイヤレスモデルが付属しており、あらかじめペアリングされていることから、面倒な設定も不要だ。
とにかくシンプルにセットアップし、シンプルに使うスタイル。その思想からすれば「余計」な存在であるUSBポートやSDカードスロット類は、背面右側に集められている。使いたい場合、手探りだけでは上手くいかないかもしれない。
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