(編集部注:米CNETによる「Surface Pro 4」のレビューを3回に分けて翻訳して公開します。第2回は11月16日に、最終回は11月18日に公開されています)
新しい「Surface Pro 4」はMicrosoftの勝利を飾るものだ。それに十分ふさわしい製品と言える。
3世代にわたって「ノートPCの代わりになるタブレット」として売り込まれ、成功した部分も失敗した部分もあったが、そのキャッチコピーにぴたりとはまる製品がついに登場した。Microsoft製タブレットの2015年バージョンであるSurface Pro 4は、最新のIntelプロセッサを搭載し、スクリーンが若干大きくなり(12.3インチという完ぺきなサイズで、アスペクト比も3:2と最適)、ハードウェアとソフトウェアに多少の改善点があるものの、2014年に発売された優秀な前機種「Surface Pro 3」のDNAを根本的に変えてしまうものではない。これは賢明な動きだろう。現時点でのSurface Proシリーズの狙いは、着脱式キーボードを備えるタブレットPCという概念そのものを慎重な消費者に売り込むことというより、完成品の洗練度をどこまで高められるかを確認することにあるからだ。
美しく洗練されたSurface Pro 4だが、Surfaceシリーズの慎ましいスタートを振り返る価値はある。2012年に登場したMicrosoftのタブレットシリーズは、嘲笑の的になったとは言わないまでも、せいぜい気のない褒め言葉を贈られる程度だった。具体的には、ソフトウェアとサービスの企業が背伸びをして乱戦模様のコンピュータハードウェア分野に参入、前年に大ヒットしたAppleの「iPad」に対抗する一か八かの賭け、などと言われていた。スナップオン式キーボードや折りたたみ可能なキックスタンドといったデザイン面のイノベーションよりも、奇抜さや妥協点の印象の方が強かった。そうしたマイナス面のなかで特に目立ったのが、OSの選択肢だ。大いに酷評された「Windows 8」か、機能が大幅に制限される(当然のごとく開発終了となった)「Windows RT」の二択だった。Surfaceはこのような登場初期において、「Xbox」のような大成功を収める製品というより、むしろ「Zune」のような大失敗に終わると見られていた。
だが、それもすべて遠い昔の話だ。Ballmer統治時代と言ってもいい。2014年のSurface Pro 3は、Microsoftがずっと目指してきた製品に仕上がった。つまり、Windowsでのタッチコンピューティングを実現するフラッグシップデバイスであり、タブレットとノートPCの両方をどちらの機能も満足できる水準で使いたいというユーザーに最適な選択肢だ。Surface Pro 4はハードウェアの製法をさらに洗練させた。また、Windows 8ではなく「Windows 10」が搭載されたことで、同プラットフォームの最後の大きな妥協点も消滅した。今ではSurfaceシリーズがデザインリーダーだ。先ごろ発売されたAppleの「iPad Pro」やGoogleの「Pixel C」タブレットはMicrosoftのデザインを取り入れて、スナップオン式キーボードを追加し、自社のタッチファーストOSのマルチタスキング機能を強化している。
しかし、Surface Pro 4は非常に洗練された製品であり、安くはない。構成オプションとアクセサリが幅広く用意されているため、899ドルからという価格はあまり現実的ではない。この899ドルのモデルは、Intelの「Core M3」CPU、128GバイトのSSD、4GバイトのRAMという構成で、スクリーンの側面に磁石で固定できるタッチスクリーンスタイラスが付属する。
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