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24時間“個客”とコミュニケーション--テナントと消費者をつなげるパルコのCX戦略 - (page 2)

別井貴志 (編集部) 井指啓吾 (編集部)2015年11月05日 08時00分
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テナント側に「師匠」を見つけた

--新たな取り組みをテナントの皆さんに理解してもらうのは難しかったのでは。どのように説明してきたのでしょうか。

林氏:我々が全店に対するショップブログの仕組みを整える前に、特にファッション系のテナントには、ブランドごとにブログを更新する習慣がすでに浸透していました。その中でうまく取り組んでいる方の事例を我々が見つけて、ブログを更新する際のコツとして他のテナントの皆さんに伝えてきました。

 私には、テナントの方の中に師匠たる人がいます。その師匠から話を聞いて勉強をしました。たとえば、レディスファッションのブログは、具体的なコーディネートを載せて、世間話も入れ込んでコミュニケーションをとるべき、ということ。「休日にどこかに出かけてきた」といった商品に直接関係のない話題が、来店時の会話のきっかけになり、近い距離で店頭での接客を始められます。

 一方、メンズファッションの場合には、商品そのもののスペックや知識、背景などが大事です。商品はコーディネートで見せるのではなくて、単体で見せて、機能性をどれだけ写真で表現できるか――そのようなことを教えていただきました。

 まず初めに、その師匠とともに、パルコのウェブの営業担当者を集めてショップブログの事例や効果を説明しました。私だけが話すよりも、実際に現場で指導している立場の人から言ってもらったほうが、はるかに説得力はありますからね。ポイントは「成功事例を伝えること」をメインテーマに据えたこと。忙しいから更新できないという方には、忙しい中でも効果的な内容を更新するコツなど伝えます。ここは果てしなく地道な作業でした。

 一方で、ブログの更新はスマートフォンを使った方が簡単だという声を聞き、当時、ウェブベースだったブログの管理画面をスマートフォンアプリ化したりして、仕組みの面でのフォローアップもしていました。

--SNS活用はどのようにテナントに訴求したのでしょうか。

林氏:2013年の時点では、テナントにSNSの運用をしていただくことは想定していませんでした。当初は、最も浸透していたブログを、テナントからの情報を発信していただく手段と捉えていました。一方で、パルコがマスメディアを介さずにお客さまと直接コミュニケーションをする手段として、TwitterとFacebok、Google+、LINEの4つとし、19店舗すべてにアカウントを持たせました。

 しかし取り組んでいくうちに、特に店頭在庫を使ったEC「カエルパルコ」の動線としてSNSが強いとわかりました。パルコの用意したブログからカエルパルコへ、という動線よりも、テナントがショップ単位で運用しているInstagramやTwitterなどのほうが、動線として強力だったのです。


「カエルパルコ」PC版トップページ

 2013年には、ファッションコーディネートアプリ「WEAR」が立ち上がり、我々は試験的に導入しました。その時、自前のプラットフォームにこだわりすぎると、インターネットのよさが毀損(きそん)されると学びました。

 要するに、お客さまがインターネットを使って情報を受け取る時には、「これ」といったプラットフォームは決まっていないんですよね。おのおのが使いやすいものを使って、情報を得たりコミュニケーションをとったりしています。ショップブログが唯一の情報源になるとは到底規定できません。

 そのため、テナントごとに使いやすいプラットフォームを使って、最終的に来店に結びつくような動線として、パルコのオウンドメディアも使っていただく設計にしました。現在はカエルパルコの動線として、InstagramやTwitterを積極的に使っていただくように促しています。

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