「EC売上アップ」のコツ

9カ月で月商7200万円--豪州発ダイエット茶のECサイト「SkinnyMe tea」 - (page 3)

尼口友厚(ネットコンシェルジェ CEO)2015年10月06日 08時00分

ソーシャルメディアの活用

 SkinnyMe Teaのお茶によるダイエットは、ソーシャルメディアを通してよりカジュアルなかたちで普及していった。

 FacebookではSkinnyMe Teaを使用した人たちによる“ビフォー/アフター”の写真が投稿され、人々の注目の的となった。ダイエットの効果の宣伝として同様の写真が用いられるのはよくある手だが、それが運営者でなく、ソーシャルメディアの利用者たちの手によって行われたことが、拡散につながったのかもしれない。

  • Facebookページの投稿

 利用者に任せるだけではなく、SkinnyMe Tea自身もInstagramで活発に情報を発信している。Facebookのようなビフォー/アフターの写真もあるが、どちらかと言えばヘルシーなライフスタイルを表す写真の方が多く投稿されており、40万人以上のフォロワーを獲得している。健康関連の情報は写真に表しやすく親和性が高い点も、ソーシャルメディアで成功した理由のひとつだったのだろう。

 「ソーシャルメディアを活用することで、ヘルシーな生活、よい生活、美しい生活という幅広いメッセージを表すことができる。私たちはただ単に製品についてだけ語ってるわけじゃなく、健康食品を含む健康な生活などすべてのことについて語っているの。そして健康なライフスタイルとしてSkinnyMe Teaを紹介しているのよ」(リエル氏)。


Instagramの投稿

これまでと違う“何か”を持たせること--オンラインビジネスの基本ステップ

 減量サプリメントやデトックスジュースがひしめくダイエット業界で「お茶」という新たな切り口を用意したことは、SkinnyMe Teaが国際的な成功をする上で大きな手助けとなった。取り扱う製品やサービスが「これまでと違う」ポイントをつくることは、新しいビジネスを始める際に、最初に実行しておきたい基本のステップだ。

 同サイトを取り上げたFrugal Confessionsの記事は、SkinnyMe Teaの「お茶でダイエット」という独自の切り口があったことを高く評価した上で、オンラインビジネスが成功するためのポイントを以下のようにまとめている。

 “自分自身に対して、いくつかの簡単な質問をすること。私の製品のユニークな点は何なのか。誰がターゲットとなる顧客であり、どのようなものを必要としているのか。自社製品を競合サービスと比べても長続きできそうか。これらの質問に明確に答えることができたときが、その製品の「売り時」だ。”

尼口 友厚

ネットコンシェルジェ

CEO

明治大学経営学部卒。米国留学からの帰国後、デザイナー/エンジニアとしての活動を経て、2002年に国内有数のウェブコンサ ルティング会社「キノトロープ」に入社。 2003年、同社関連会社としてネットコンシェルジェを設立。eコマースとブランディングを専門領域とし、100億規模の巨大ECサイトからスタートアッ プまで150を超えるクライアントを抱える。

2015年にベンチャーキャピタル2社より資金を調達し、キュレーションコマースプラットフォーム「#Cart」を開始。趣味はブラックミュージック鑑賞。著書に「なぜあなたのECサイトは価格で勝負するのか?」(日経BP)。

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