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「地元の良さを生かす」--都市と地方、インバウンドのチャンスをつかむには

島津健三(アウンコンサルティング)2015年09月16日 08時00分
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 この連載では、アウンコンサルティングの現地駐在員による、日本・台湾・香港・タイ・シンガポールでのマーケティングに役立つ現地のホットトピックを隔週でお届けします。今回は、日本のインバウンド市場についてお伝えします。

 今日本で最もホットな話題と言えば、インバウンド。2014年の訪日外国人旅客数は1341万人を突破し大きな話題となりましたが、2015年7月の訪日外国人旅客数を見ても、その数は191万人に上っており、前年同月の127万人よりも伸び率は51%となっているのです。2015年の訪日外国人旅客数は、1500万人になるのではないかとの予測もちらほら……。本日はインバウンドについて、都市と地方の違いについてお伝えします。

伸び続けている都市のインバウンド

 筆者は東京に住んでいるのですが、街を歩いていると外国の方が本当に増えたと実感しています。百貨店に行くと海外の方がたくさん買い物をしており、店内アナウンスはさまざまな外国語が聞こえてきます。

 実際、日本百貨店協会の発表によると、2015年7月期の全国百貨店売上は前年同期より3.4%増加しており、10都市にいたっては売上が5.1%増と大幅に伸びており、インバウンドの影響も大きいのではないかと予測できます。しかし、インバウンドは東京や大阪などの大都市や、観光で有名な北海道や沖縄だけのものではないはずです。日本の地方どこにでも、インバウンドのチャンスは隠れています。

目的別インバウンド

 そもそも、海外の人々は何を目的として日本へ訪れているのでしょうか。観光庁の調査(PDF)によると、国と地域別の訪日動機で「ショッピング」と答えた人が多かった国と地域はタイ、香港、中国の順となっています。一方、「日本の歴史・伝統文化体験」が訪日動機と答えた人が多かった国はフランス、米国、カナダとなっており、アジアの人々の多くは買物目的で来日しており、欧米圏の人々の多くは日本の伝統に興味を持っていることがわかります。


出典:観光庁「平成26年度観光の状況」及び「平成27年度観光施策」(観光白書)

 観光庁発表の消費者動向「訪日外国人1人当たり費目別旅行支出(観光・レジャー目的のみ)」(PDF)を見ると、中国の人々が日本に来た際、買物代に17万38円を使っているのに対し、米国の人々はその約5分の1の額で3万5018円となっています。しかし、娯楽サービス費では中国5179円、米国1万7090円と買物代とは逆の結果となっており、国ごとの来日目的の違いが顕著に表れています。

 日本でショッピングをするには東京や大阪など多くの店舗が軒を連ねる大都市が便利ですが、日本の伝統となると、日本各地で魅力ある日本の伝統をPRし、旅行客を誘致することが可能です。「訪日外国人旅客」とひとくくりにしがちですが、趣向や来日目的は国や地域によってバラバラ。それぞれの趣向を考え、インバウンド施策を練ることからチャンスは広がります。

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