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アジア現地駐在員マーケティングレポート

日本が世界一の「iPhone大国」である理由--他国と異なるモバイル事情 - (page 2)

島津健三(アウンコンサルティング)2015年08月05日 08時00分
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日本のiPhone人気を支える2つの理由

 世界各国ではAndroid端末が主流、もしくはさまざまな端末が競争を繰り広げていますが、日本はAppleが独り勝ち状態という世界でも珍しいケースです。それではなぜ、日本でこれほどまでにiPhoneは人気を博しているのでしょうか。

 その理由としてまず、日本で発売されているiPhoneの価格が挙げられます。インドやインドネシアなどでは、iPhoneの価格は月収の約3倍であるなど、新興国の人々にとって大変高価なものとされています。一方、日本ではどうでしょうか。日本では、どちらかといえばAndroid端末の方が高価であるというイメージを持っている人も多いのではないかと思います。

 それもそのはず、街を歩いていると携帯電話ショップなどで「iPhone価格 実質0円!」など、iPhoneは手軽に手にすることができるといったようなキャッチコピーをよく目にします。現在日本では、ソフトバンクモバイル、KDDI、NTTドコモと大手キャリア3社がiPhoneを販売しており、いずれもiPhoneに対する割引プランなどの販売促進を打ち出し、顧客獲得のための価格競争を繰り広げています。

 2点目は、日本人ならではの理由です。MM総研が実施したiPhone 5の購入意向に関する実態調査では、iPhone 5を購入したい理由に「iPhoneは人気があるから」という回答が23.8%と、同回答の割合が最も多くなっています。集団主義的思想が強いと言われている日本人にとって「みんなが持っているから」「iPhoneを持っているとかっこよく見える」といったような、他者を気にした上でのiPhone購入理由は、日本ならではと言わざるを得ません。

 2008年にソフトバンクモバイルが日本で初めてiPhone 3Gを発売してから、爆発的な人気を博しているiPhone。その後の3キャリアの価格競争や「みんなが持っているから」といったような日本ならではの浸透方法は、Appleの日本におけるマーケティング戦略は功を奏したと言えるでしょう。


iPhone 5を購入したい理由(出典:MM総研)

マーケットを理解する

 日本人の趣向に合わせたマーケティング戦略を立て、成功を収めたApple。はたしてこの戦略は、他国でも通用するのでしょうか。ターゲットとする国を定めたら、その国の人は「なにが欲しいのか」「どうしたら購入意欲が掻き立てられるのか」、国や地域によって多種多様な趣向を考えた上でのマーケティング戦略は必須となってきます。

 たとえば、日本で人気が出た飲食店が満を持して海外進出をしたが、すぐに撤退してしまった……このような話をよく耳にします。“日本ならでは”が海外で受け入れられるケースももちろんありますが、どこまでも日本式を押し通してしまうのは、海外で通用するはずがありません。

 実際、帝国データバンクの調査(PDF)によると、海外進出をした日系企業のうち、撤退した、または撤退検討の経験がある企業は約4割に上るというデータが出ています。ここで大事なのは「マーケットを理解すること」。ターゲットとする顧客はローカルか、日系か、はたまた両方か……いろいろあると思いますが、ターゲットと決めたマーケットをしっかりと研究し、綿密な事業計画を練ることが重要です。

島津健三(しまづ けんぞう)

アウンコンサルティング

2007年12月アウンコンサルティング入社。

検索エンジンマーケティング(SEM)事業で、コンサルタント、営業を経験。金融、美容業界などBtoCを中心に幅広い業界の導入支援実績を持つ。

現在はエキスパートマネージャーとしてグループを統括し、グローバルマーケティング戦略の立案・実行に携わる。

最近の趣味はジョギング。平日は忙しく運動不足になりがちなので、週末は決まって、近所である多摩川沿いを走っている。



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