「Windows 10」レビュー(最終回)--ユニバーサルアプリや強制アップデートを考える - (page 3)

Nate Ralph (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2015年08月05日 07時30分

 一方で、うれしくない面もある。ソフトウェアのアップデートがうまく機能せず、ときには修正より不具合の方が多いという事態を、ユーザーの多くが経験しているからだ。Windows 10プレビュー版の最近のアップデートでは、ソフトウェアのクラッシュが発生しており、物事が意図されたとおりに進まない場合があることを、またしても思い出させてくれた。

 Microsoftは、こうした問題を軽減する計画を用意している。「Windows Insider」プログラムに登録しているユーザーは、ベータテスターとしての参加を恒久的に続けるオプションを選ぶことができ、良し悪しにかかわらずすべてのアップデートを最初に受け取ることになる。だが、500万人にも及ぶテスターたちが、こうした強制アップデートをできるだけスムーズに進めるうえで大きな役割を果たすかもしれない。Insiderプログラム登録ユーザーは、開発されていくWindowsの特徴や機能についてのフィードバックを共有することで、Windowsの未来を動かし続けることもできる。

 それでも筆者は、最終的に何か見落としがありそうだという不安があり、プロセス全体で多くのユーザーが強制アップデートに反感を抱いてしまうのではないかと考えている。とはいえ、Microsoftのこのアプローチはやはり正しいと思う。現在のように脆弱性を抱えるデバイスや不正アクセスを受けるデバイスがあふれているよりは、ときどきアップデートが失敗してそれに対処する方が良いからだ。

まとめ

 理想的には、Microsoftの最新OSはバージョン番号や開発コード名を一掃して、単に「Windows」と呼びたいところだ。「10」が付いていると、次のバージョンがあるものという印象を受ける。だが実際には、Windowsは何年かおきに(しぶしぶ)購入するものから、常に更新され細かく調整される生きた文書へと移り変わりつつある。予測可能なアップグレード周期を期待している多くのWindowsユーザーにとっては、戸惑う変化になるだろう。

 Windows 10は、広範囲に及ぶ大々的な変化の終わりを意味する。スマートフォンやタブレットで定着したような、日常的な利便性の向上を目指す細かな調整が大幅に増えるだろう。「Cortana」は新しい技を覚え、インターフェースはMicrosoftの「HoloLens」のようにまったく新しい種類のデバイスまでサポートできるほどの柔軟性を得るはずだ。もしWindows Phoneが生きのびれば、MicrosoftがWindows 8の発表当時に思い描いた世界がついに実現し、あらゆるデバイスでWindowsが快適に動作する日が来るだろう。

 どれもまだこれからの話である。今の段階で実現しているのは、重厚なゲーミングPCにも「Surface」タブレットにも同様になじむ、高速で機能的なOSだ。期待どおりのことをすべてこなし、Windows 8が目指した改良がすべて取り込まれている。Cortanaも「Microsoft Edge」も、筆者のデジタル生活にすっかり密着したGoogleのサービスに取って代わるまでには、まだ長い道のりがあるが、メールやPCへの指示を口述できるという目新しさは理解できる。そして、何よりもその価格だ。「Windows 7」またはWindows 8からは無料でアップグレードすることができる。

 現在Windows 7かWindows 8を使用しているなら、Windows 10に飛びついても失うものはほとんどなく、得るものはかなり多い。まだ「Windows XP」を使っているという人は、それなりの理由があるのだろう。だが、Windows 10はオペレーティングシステムからエコシステムへという移行の第一歩だ。途方もない夢かもしれないが、PCに向かって質問したり、ノートPCからキーボードを取り外して読書をしたりするたびに、その夢は少しずつ現実に近づく。Windows 10は、Microsoftが未来をもたらそうとする第2の試みであり、今回それは正しい方向に向かっている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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