(編集部注:米CNETによる「Windows 10」のレビューを3回に分けて翻訳して公開します。第2回は8月3日に、最終回は8月5日に公開されています)
「Windows 10」は、Microsoftの由緒あるPC用OSがほどよい形に落ち着いたバージョンだ。慣れ親しんだ操作で安心して使える「Windows 7」と、タッチスクリーン対応で未来を見据えた「Windows 8」の「いいとこ取り」と言えるだろう。
Windows 10は、すでにWindows 7とWindows 8を使っている個人ユーザーには無償アップグレードとして提供される。プラットフォームを1つたりとも取りこぼすことなく、あらゆるデバイスに対応する統一的なOSというMicrosoftのビジョンを追求するために、ゼロから作り上げられたOSだ。その狙いは、GoogleとAppleの攻勢を四方八方から浴びて揺らぎつつあるMicrosoftのソフトウェア支配を守ることにある。Microsoftが描く未来のビジョンでは、1つのユーザーエクスペリエンスが、私たちを囲むあらゆるテクノロジに広がっていく。Windows as a Serviceの始まりだ。
そう、Windows 10には新機能がぎっしり詰まっている。いくつか挙げただけでも、「Internet Explorer」に代わる高速で無駄のないブラウザ「Microsoft Edge」、Microsoft版の「Siri」とも言える音声コントロールの仮想アシスタント「Cortana」、離れた部屋の「Xbox One」からデスクトップにリアルタイムでゲームをストリーミングする機能などがある(念のために付け加えておくと、「Windows 9」はリリースされない。Microsoftは、9を飛ばして8から10に進んだ)。
一方、Windows 10は、2012年のWindows 8リリースから長らく続いていた困難な道のりの終わりでもある。このときMicrosoftは、キーボードとマウスを使ってきた全世界のユーザーに、この先タッチスクリーン以外の道はないということを納得させようとした。皮肉なことに、そんなタッチスクリーンの未来に向けたPCハードウェアは、2015年になって出揃ってきた。Lenovoの「Yoga」シリーズのような2-in-1型から、Microsoft自身の「Surface」のようなキーボード着脱式のコンバーチブルタブレットなど、さまざまなモデルがある。Windows 10では、そうしたデバイスでの「タブレット」モードから「PC」モードへの切り替えがかつてないほどスムーズになる。
それ以外のPCのユーザー、たとえばキーボードとマウスによる昔ながらの操作を好むユーザーにとって、Windows 10は良き時代への回帰となる。どういうわけかWindows 8で姿を消した「Start」メニューが復活し、以前と同じように機能する。Windows 8のホーム画面にあったライブタイルも存続するが、Startメニューに統合され、今までより使いやすくなる。表示と非表示の扱いが難しかった「Charms」バーは、もっと直感的な(そして見つけやすい)「Action Center」に変わる。
いつものように、最終形には多少の批判や不満があるものの、何カ月かWindows 10を使ってみて、全体としては成功していると言える。柔軟で融通がきき、カスタマイズ性も高い。そして、大勢のベータテスターによる実戦テストを1年近くも重ねており、記憶にある限りの近年のリリースでとりわけ信頼性の高いOSに仕上がっている。
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