日本マイクロソフトから「Surface 3」が発売された。注目を集めているポイントは2点、インテルアーキテクチャとなって通常のWindowsマシンとして使えるようになったことと、LTE通信機能が内蔵されたことだ。
Surfaceシリーズは、Microsoftが出すWindows PCとしてある意味、リファレンス的な存在だ。Windowsの本家自ら出すPCとして、より安定してWindowsが動くだろうという期待があり、しっかりとしたボディ、Windowsの世界観とマッチしたカバーの色が用意され、注目を集めるのもうなずける。
Surfaceは2つの製品ラインがあり、1つは上位の「Pro」、そしてもう1つはProがついていないシリーズだ。Proでない製品は当時「Surface RT」として登場。インテルアーキテクチャでないプロセッサを内蔵し、操作は新しいWindowsのものではあるが、従来のソフトウェアが動かなかった。
ただし、比較的低価格で購入できたので、ソフトウェアの互換性に目をつむってSurface RTや2の購入を検討した人も少なくなかったが、今回からは下位シリーズのSurface 3でもソフトウェアの互換性の問題はなくなった。
そして、LTE通信機能の内蔵である。キャリアはY!mobileということになっているが、契約がわずらわしい、またはLTE通信が不要ならば本体だけを購入することもできる。そして後から最近流行の格安SIMと呼ばれるMVNOのSIMを契約して利用することもできる。Y!mobile以外のキャリアでの実用性も気になるところである。
まず、最初に気になるのは動作の快適さである。搭載するのは最新のAtomであるインテル Atom x7-Z8700 プロセッサ。開発コードは「Cherry Trail」で、今まで低価格Windowsタブレットから最近では低価格WindowsノートPCに広く搭載されている開発コード「BayTrail」の後継となるものだ。
CPUはプロセスが14nmとなり省電力性能が期待される。Atom x7-Z8700は動作クロックが1.6GHz(2.4GHzまでバースト動作)でコア数は4となっている。
肝心の動作に関して言えば、BayTrail世代の低価格Windowsタブレットとは大きく違う一面を見せる。ウインドウの切替えやソフトウェアの起動が早く快適。SSDを搭載した最新CoreプロセッサのノートPCには及ばないものの、比べなければロースペック機種という印象は全く受けないほど快適だ。
この快適さを実現するものとしては、今回試用したSurface 3のメモリが4Gバイトという点も大きいと思われる。BayTrailのWindowsタブレットは2Gバイトがほとんどで、複数ソフトの起動といったメモリ容量が関わってくるような場面で快適さに違いが出てくるのは当然とも言えるだろう。そして、Surface 3のWindows 8.1は64ビット版が搭載されているため、より、メモリ容量を活かした処理が行われている可能性がある。
次に、液晶を見てみると、10.8型という非常にちょうど良いサイズの液晶を搭載する。ノートPCの世界では、10型程度の液晶を希望している層が一定数あるが、Surface 3はまさにそのサイズ。あまり大きくないのでカフェの小さいテーブルでも邪魔にならず、大きすぎない。そして、ウェブサイトから情報を得る場合でもサイズが小さすぎず、一覧性が高い。
1920×1280ドットなので微細な表示も得意だ。タブレットの世界では高精細液晶は一般的になったが、ノートPCとしてはまだ高精細な部類に入り、写真を確認するにしても非常に緻密な画像が見られる。もちろん輝度も十分で、光沢画面でも。細かな映り込みを気にせず利用できる。
縦横比3対2という比率は、いわゆるフルHDといった液晶よりも短辺が長く、横画面にして上下表示の大きなウェブサイトや文章の表示などで、ひとまわりの余裕を感じることができる。
液晶の色や輝度にも特に不満を感じない。また、マルチタッチにも対応しているほか、別売のSurfaceペンにも対応している。筆圧感知の機能はないので、高度なクリエイティブ作業には向かないが、メモ書きやマウス代わりにペンを使う場面では十分な動作をする。残念なのはペンを収納する場所がないこととペンが別売りなところだ。さっと取り出して使うためにも、ペンを一緒に持ち運ぶ仕組みが欲しかった。ペンを別に収納する必要を考えればタッチパネルも優秀だけにペンはなくてもあまり困らない。
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