新しい世代のAtomプロセッサの特徴は省電力性でもある。そこで、LTE通信をオンにした状態で、ウェブサイトを参照しながらテキスト入力を行った。
カタログでは「最大約 10時間のビデオ再生が可能」となっているが、3時間のテキスト入力作業で電池はほぼ半分まで減った。明るい場所だったの画面の輝度は最高に近い状態で、LTE通信もアンテアは半分しか立たず電波状態はあまり良くない状態だったので、通信に関わる消費電力も多かったはずだ。
つまり、電池の持ちという面では極めて悪い条件で3時間で半分の減りという状況なので、画面輝度や通信状態に注意すれば、カタログ値の10時間駆動も余裕で可能だろう。
そして、充電は基本的に付属の充電器とUSBケーブルで行うが、microUSBポートのため他のUSB充電器でも充電は可能だ。付属の充電器は5.2Vで2.5Aと大電流を流すタイプだが、タブレット用の5V 2Aの充電器という最大電流が若干小さい物で充電したところ、普通に充電が可能だった。どの程度まで電流を要求するのかはわからないが、2A出力であればモバイルバッテリからも充電が可能と思われる。
LTE通信機能は通信契約付きで購入するとY!mobileの契約になる。月間7Gバイトまでの高速通信で税込3991円。1Gバイトならば980円(税抜)という金額が大きくうたわれているが、1Gバイトの契約といっても自動で容量追加される契約「快適モード」を6回以上有効に設定しなければならないため、支払い額は税込1058円~4298円(4Gバイト)の変動契約となるので注意が必要だ。
そして、OneDriveをはじめクラウドストレージをメインの保存場所として利用していると、通信量はすぐに跳ね上がり、外出が多ければ月間1Gバイトの容量超えは確実だ。
Y!mobileのエリアは、都内でもカフェの中ではアンテナが5本中2本しか立たないこともあるなど、若干狭い印象を受けたが、通信不能という事態はなかった。速度の点でも速度測定サイトの計測で20Mbps程度は順調に出ていた。
注目の他のSIMは、ドコモ契約のSIM、ドコモネットワークを採用したIIJmio、そしてauネットワークのmineoの3つを試したところ、いずれも通信が可能だった。
対応するバンド(周波数帯)は、ドコモがバンド1(2100MHz帯)と3(1800MHz帯)に対応、auはバンド1が対応する。スペック表にはLTEに800MHzとあるが、これはドコモやauの800MHz帯とは異なるバンドなので対応しない。対応するバンドは、Y!mobileと比較してそれぞれの事業者の最もエリアが広いと言われるバンドに対応しない点は注意が必要だ。
なおドコモはバンド3の展開がかなり進んでいるのか、都内で建物の奥まった場所でもなければ問題がない。通信速度重視のバンド3で順調ならばドコモ契約のSIMで下り60Mbpsほど速度が出ることもあった。ただし、バンド3の展開は東名阪地域のみ。その外の地域ではバンド1のみの対応となるが、バンド1ではLTEでなくて3G通信になってしまうところもあるため、どこまで快適に利用できるかは未知数だ。
auはバンド1のみ対応するためエリアはぐっと狭くなる。バンド1のLTEといえばiPhone 5の時代にLTEエリアが狭いと話題になったあのバンドであるが、Surface 3はauではLTEのみ対応するため、バンド1のLTEが使えなれば3Gに落ちずに圏外となる。ただ、iPhone 5で話題になった時期とくらべてバンド1のエリアはかなり広がっており、都内ならばかなり使えるという印象だ。
いずれの通信も、本体の下側にあるSIMカードスロットに各事業者のSIMを挿入し、ネットワークの接続の画面からAPN等の接続情報を入れればすぐに通信を開始する。SIMの交換にはiPhoneのように付属のピンが必要だが、iPhoneよりも軽い押し込みでトレイが出てきたので、交換はそれほど難しくない。SIMは最も小さいnanoSIMなので紛失には注意してほしい。
Surface 3は買いなのか。国内で一般向けは2タイプあるが、4Gバイトメモリが欲しければ上位モデルが必須となり、本体価格は税込みで9万9144円。それにタイプカバーが1万6930円の合計11万6074円。ペンが必要ならばさらに6450円かかる。
2Gバイトメモリの下位モデルでも8万8340円+1万6930円となり10万円超えは確実だ。通信契約を新たに結ぶ場合は、初期費用と月々の費用もプラスとなる。
価格の点では決して安くはない。ただ、個人向けはExcel、Word、PowerPointを含んだ「Office Premium」もプリインストールされていること、LTE通信内蔵でコンパクトでスタイリッシュなPCが欲しいというのあれば数少ない選択肢であることは間違いないだろう。
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