「Android Wear」搭載デバイスの登場から約1年になるが、それらのスマートウォッチはほとんど記憶に残っていない。今はどういう状況なのだろうか。数種類程度のAndroid Wear搭載スマートウォッチが販売されており、多くのアプリが提供されているが、実際に購入に興味がありそうな人は少ない。
Googleの年次開発者会議Google I/Oはサンフランシスコで米国時間5月28日に開幕する。正式なイベント内容はほとんど明かされていないが、Android Wearに関するプレゼンテーションも予定されているとみていいだろう。そう願いたいものだ。GoogleのウェアラブルOSには将来性があるが、競争力を付けたいのなら、さまざまなことを次の段階に進める必要がある。
「Apple Watch」(これも長短両面が複雑に存在するデバイスだ)が登場した今、Googleはスマートウォッチに関して、次はどこに進むのだろうか。Android Wearは2年目にすべてを次の段階に押し上げることができるだろうか。筆者はこれまでに登場したAndroid Wear搭載スマートウォッチのほぼすべてを使ったことがある。Googleが今後ウェアラブル戦略に関してなすべきことについて、筆者の考えを述べる。
筆者は高級スマートウォッチというトレンドに気づいた。価格が引き上げられるのは気に入らない。「LG Watch Urbane」の350ドルが最新の開始価格だ。2014年、Android Wear搭載スマートウォッチの最低価格は200ドルだった。サファイアクリスタルディスプレイを搭載する価格未定の「Huawei Watch」や、おかしな名前の「TAG Heuer」スマートウォッチ(価格は1400ドル)によって、高価格化がさらに進むだろう。
Apple Watchも高すぎる。筆者は399ドル以上のモデルを買うつもりはないが、それでも高い。Googleは「Android」と同様に、広く普及する低価格という戦略をとるべきだ。99ドルのAndroid Wear搭載スマートウォッチの登場を期待したい。
Apple Watchが「iPhone」としか連携しないように、Android Wear搭載スマートウォッチも現在のところ、Androidスマートフォンにしか対応していない。しかし、iPhoneでのAndroid Wearサポートが近い将来、実現するかもしれない。Android WearスマートウォッチがiPhoneとどの程度まで連携するのかは不明だが、多少なりとも連携するのなら(Appleがそれを認めればの話だが)、うれしいニュースだ。通知、願わくばフィットネストラッキング、あるいは「Google Now」音声命令、さらにはWear互換アプリが利用できれば、出だしとしては十分だろう。スマートウォッチは可能な限り多くのスマートフォン上で動作するべきだ。
Android Wearの最新バージョンはWi-Fiをサポートするが、それは皆さんが考えているようなものではない。基本的に、スマートウォッチ自体は今もスマートフォンにアクセスするための「ダム端末」で、スマートフォンがインターネットへの橋渡し役だ。スマートウォッチとスマートフォンは、同じ部屋でBluetoothを通して接続できるだけでなく、別々の場所にあっても接続できる。しかし、やはりスマートフォンは電源がオンの状態で、セルラーデータかWi-Fiデータに接続している必要があり、スマートウォッチもユーザーがあらかじめセットアップした認識済みのWi-Fiネットワークに接続している必要がある。
これらのスマートウォッチがスマートフォンを必要とせず、Wi-Fi経由で直接ウェブと通信できるようになってほしい。スマートウォッチに既にその機能があると思い込んでいる人も多いが、実際はそうではない。しかし、スマートウォッチが欠かせないもの、あるいは便利なものと感じられるようになるには、その機能を搭載する必要がある。筆者は普段、スマートフォンを持ち歩いているが、スマートウォッチがその代わりを十分に務められるようになってほしい。
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