サムスンは2014年の「Gear S」でこれを模索したが、セルラーサービスの利用に専用のSIMカードが必要で、良いアプリも少なかった。筆者はスマートウォッチにセルラー接続機能は求めていないが、どこかでスマートフォンの電源をオンにしていなくてもWi-Fiにアクセスできる機能がほしい。
Android Wearは非常に多くの部分がGoogle Nowをベースとしている。Google Nowにはちょっとした予測機能があり、天気、電車の運行スケジュール、スポーツのスコアなど、ユーザーが関心を持っていそうなカードを押しつけてくる。これらのカードは、まるでソフトボール場のハエのように、何度振り払っても戻ってくる。
筆者はGoogle Nowを体験したくなったら、試してみるつもりはある。だが、Google Nowを無効にしたり、表示頻度を減らしたりするもっと簡単な方法を用意してほしい。あるいは、別の方法でスマートウォッチに情報を表示してほしい。Apple Watchのように、ちらっと見るだけで済むようにできないものか。つまり、必要なときに一目見て理解できるシンプルな情報を表示するということだ。タイムラインに割り込んできて、筆者の方を見るのはやめてもらいたい。
円形スマートウォッチは今でも目新しいものと感じられる。「Moto 360」や「LG G Watch R」、Watch Urbaneは奇妙な円形ディスプレイを搭載している。従来型の文字盤に関して言えば、これらの円形スマートウォッチは素晴らしいアナログ腕時計を再現することができる。しかし、Android Wearの残りの部分がほとんど切り落とされてしまったような感じもする。まるで円形の窓を通して通常の画面を見ているかのようだ。
Android Wearアプリはたくさんあるが、円形ディスプレイを有効に活用しているものはほとんどないように思える。おそらく、Android Wearスマートウォッチ市場は既に販売面で苦戦しており、その中で円形スマートウォッチの数はさらに少ないということも、その理由の1つなのだろう。魅力的でユニークな円形アプリの設計を開発者に求めるのは、過大な要求なのかもしれない。
とはいえ、これらのスマートウォッチがすべての対応アプリでもっと魅力的に見えるようになるまで、円形スマートウォッチを持つのは奇妙な感じがするだろう。
Android WearもApple Watchもアプリの数は豊富だが、その多くはあまり出来が良くない。Android Wearの場合、読み込みが少し遅いように感じるアプリや、操作しにくいアプリも多くある。スマートフォンでアクセスするよう求めてくるアプリも少なくない。
全体として、スマートウォッチにはキラーアプリが不足している。Googleは自社のAndroid Wearアプリを改善した。「Google Fit」では、ようやく基本的なフィットネストラッキングとオフラインでの音楽再生が可能になった。いずれもセットアップに手間取るが、きちんと動作する。しかし、機能の豊富さや、起動と使用の容易さという点で、筆者の求める水準には達していない。
アプリはむやみに新しいものを出せばいいというものではない。筆者はもっと高品質なアプリがほしい。スマートウォッチを素晴らしいものにするアプリだ。そうしたアプリがないなら、スマートウォッチは通知の受信にしか使わないだろう。それが筆者の普段の用途だ。
Googleは近いうちに再びAndroid Wearに対処するだろう。筆者はそう願っている。今回は少しハードルが高くなった。誰もが以前よりスマートウォッチに詳しくなっているため、Googleは消費者にスマートウォッチが必要な理由を納得させなければならない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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