筆者は4カ月前、「Microsoft HoloLens」を初めて装着したとき、一瞬にして信奉者になった。コードが接続された不格好なプロトタイプは、檀上で披露された、ケーブルのないクールな体験とかけ離れたものだったが、火星の地表を歩き回って、ホログラムの羊を指でつつくと、Microsoftの拡張現実(AR)に対するビジョンはあらゆるものとの関わり方として理想的であると確信した。
米国時間4月30日、筆者は再びHoloLensを体験した。今回はあらかじめ用意されたデモの中を歩き回るのではなく、開発者になりきって、自分だけのホログラフィック体験を作り上げた。もちろん、事前に記述された大量のコードを使用し、適切なソフトウェア開発者の指導を受けながらではあるが。そして、あの不格好なケーブルはもうない。本物を装着することができた。Microsoftの多数のデモに登場した、あの洗練されたヘッドセットだ。
今回の体験でも舞い上がるほどの高揚感を覚え、発売されたらすぐに購入しようと決めた(価格はまだ発表されていない)。しかし、MicrosoftのARに対するビジョンがどこまで現実になるのか、という新たな懸念も生じた。
HoloLensの装着は簡単だ。デバイス背面のホイールを回して、ヘッドバンドの締まり具合を調節し、頭に乗せるだけでいい。ヘッドバンドとバイザーは個別に動かせるので、ちょうどいい位置に調節できる。バイザーは内側にも外側にもスライドさせられるため、顔に近づけることも、顔から遠ざけることも可能だ。HoloLensは鼻で支えるわけではない。メガネ(度付きのレンズを含む)をかけている人たちに聞いたところ、HoloLensの使用感は良好だったという。
とてもシンプルで軽いデバイスだ。頑丈な感じもするが、プロトタイプなので、どれだけ引き伸ばせるか試すのはやめてほしいと丁寧に言われた。
さて、HoloLensの普及において最大の障害となる問題について考えてみよう。視界はかなり狭い。「HTC Vive」や「Oculus Rift」のような仮想現実(VR)体験は、視界の全体を覆う高解像度ディスプレイで、ユーザーを完全に包み込む。
対照的に、HoloLensで投射される画像が占める面積は、先述のデバイスより明らかに小さい。ユーザーがやりとりする仮想の物体を生み出す光学投影レンズは、高さが約1インチ(約2.54cm)で、投影されるホログラフィックフィールドは、数フィート(1フィートは約30.48cm)離れた場所から20インチの画面を見ているように感じられる。自分の周りにさまざまな物体が見えるが、筆者はどうしても視野が狭いと感じてしまう。しかし、われわれはVRと全く異なる種類の体験も目指している。
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