筆者はHoloLensの小型スピーカーも試してみた。ヘッドセットの両側にある赤色の小さな突起部がスピーカーだ。アプリに「Windows 10」の「Spatial Sound」テクノロジを使うよう命令する1行のコードを含むスクリプトを追加して、音楽が折り紙モデルの中心から流れているような錯覚を作り出した。折り紙モデルから離れると音が小さくなり、近づくと音が大きくなる。周りを歩き回っても、上から覗いても、下を這っても、それに応じた場所から音が出ているように聞こえる。非常にクールなサラウンドサウンド効果だ。
アプリでWindows 10の音声認識エンジンを利用するためのコードもあり、コマンドで実行したい言葉をタイプするだけで、オブジェクトを操作することができた。「Drop now」(すぐに落とせ)とスクリプトに入力して、球体の1つを見つめながらその言葉を口にすると、球体が真っ逆さまに落下した。プログラムをリセットするコマンドとして「Start over」(やり直せ)を入力し、その言葉を言うと、そのとおりのことが実行された。
次にもう少し複雑なことを試したくなったので、「Hooray CNET」(いいぞ、CNET)と言ったら、ボールを落とすコマンドを作成した。成功率は約25%で、うまくいくかは筆者の「CNET」の発音次第だった。筆者の聞いた話によると、コマンドを発音どおりに(「Hooray See Net」)入力するか、複雑な名詞を解析するためにもう少し複雑なコードに変える必要があるという。
その後、すべてを組み合わせた。最後のコードを使い、球体が落下してメモ帳を突き破った後、足下に広がる広大な地下世界が現れるようにプログラムした。この時点で、筆者は撮影が許可されていないことに感謝した。四つん這いになって動き回り、首を伸ばして、絨毯の下を流れる川を見ようとする筆者の姿を、インターネット上の人々に見てもらう必要はないからだ。
Microsoftはあまり積極的に情報を発信しているわけではなく、価格や発売日に関して何も述べていない。HoloLensはスマートフォンやPCと連携せずにすべての計算を処理するデバイスだが、そのおおよそのバッテリ持続時間についても全く言及がなかった。発売予定についてもまだ何も発表されていないため、このプロジェクトが実際にどれほど進行しているのかも不明だ。
しかし、Holo Academy Experienceのおかげで、Microsoft HoloLensで具体的に何が可能なのかを一足先に見ることができた。そして、筆者はこれまでどおり、警戒感を抱きながらも楽観的な考えを持っている。視界の狭さのせいで購入しないという人も多いだろうが、HoloLensはやはり、実際に自分の目で見てみないことには分からないようなデバイスだ。Microsoftがこれからの数カ月で、もっと多くの情報を公開してくれることを願う。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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