What's Ingress ?

世界観を壊してはいけない--ローソンの「Ingress」戦略を担う“ガチ”エージェント社員 - (page 2)

Ingressの認知向上に貢献したい--公式グッズも発売へ

――ポータル化によるエージェントの反応はいかがでしたか。

佐藤氏 : ポータルへのアクションは想定の5倍以上でした。いろいろと調べていると、概ね都心よりも地方の評判が良いですね。たとえば、関東ですと千葉の房総半島の南の辺りはローソンばかりなので、そういうところは好評のようです。この一方で「企業がポータル化するのはどうなの」という話はやはりありました。当初は病院内のローソンもポータル化していたのですが、社内にいる病院の窓口担当と相談して、これはやめたほうがいいということで、グーグルとも話し合って半月ほどでポータルを取り下げたといったこともありました。

 現状は、ポータル化したことで売上げなどが目に見えて変わったということはありません。ただ、僕自身のスタンスとしては、Ingress自体を盛り上げていくことで、相乗効果で我々にも何かつながってくれればいいなという気持ちです。日本のエージェントを全員合わせても人口の1%もいないので、そこが増えていかないことには大きな効果はないと思いますので、いかに増やしていくかということですよね。

 実はこの前、(交流イベントの)ファーストサタデーにも密かに参加しました。一部のエージェントにはバレちゃいましたけど(笑)。そういった草の根的な活動に対しても何らかの形で貢献できればと思っています。これまではDarsanaやShoninなど大きなイベントだけだったのですが、簡単なお手伝いでもできることがあればやりながら、Ingressの裾野とか社会での認知度を上げていく。いまは企業コラボは少ないので、我々の価値も高まっていくのではないかと思います。

――3月末に京都で開催されたイベント「Shonin(証人)」では、からあげクン1年分をエージェントにプレゼントしていました。当日はどの程度、運営に関わっていたのでしょう。

佐藤氏 : 実はイベントそのものには、ほとんど関与していないんです。アフターパーティにお店を出してTシャツを販売したり、ステージでプレゼントを贈呈したりしたくらいですね。なので、僕も当日は途中まではただのガチ勢(笑)。一般の方と一緒に行列に並んでオープニングセレモニーに参加して、そのあとは自分が担当するクラスタのポータルで戦っていました。3クラスタ目を終えて、4クラスタまで行ってしまうとイベントに間に合わなくなるので会場へ移動して、そこから初めて会社の人間としての業務が始まりました。

 なので、イベントそのものを我々がどうこうするということはありません。やはりストーリーや彼らが積み上げてきたものがありますので、基本的にはグーグルにすべて決めてもらえれば良いと思っています。ところで、6月20日に仙台で開催されるイベント(「Persepolis(ペルセポリス)」)もどうしようかなと悩んでいます。出張になるかどうか分からないのに、すでに2泊は押さえましたけど(笑)。

――さすがです(笑)。今後の展開で決まっていることがあれば教えて下さい。

佐藤氏 : 1月くらいにとあるエージェントがTwitterでポロッとつぶやいて、川島さんが反応したことで実現したのですが、7月に「MACHI cafe DRINK CARD」(プリペイドカード)のIngress版を発売します。追加料金なしでIngressアイテムのパスコードが付きます。このカードを発売することで、通常のカードと比べてどれだけ販売数に差が出るのか確かめたいと思っています。何だかんだいっても企業なので、一応費用対効果は見られているんです(笑)。

 カードの柄については1色のみにします。恐らく、ほとんどのお店のオーナーはIngressのことを知らないと思うので、ここは青や緑に分けずに、シンプルにIngressと分かるデザインにしました。ただ、Ingressは公式グッズ自体があまりないので、そういう意味でも共通で使えるデザインの方がいいと思っています。


Ingressデザインの「MACHI cafe DRINK CARD」

 また、お店で使えるクーポンについてもグーグルと話しているところです。これがなかなか大変で、協賛いただく企業からすると商品の広告も兼ねていたりするので、それらを世界観を壊さずにどう出すのかというところは考えないといけないですね。たとえば「スキャナーを見せれば割引き」などができればいいのですが、ローソンは全国で1万店舗を超えていますので、Ingressを知らない人が多い前提で、エージェントも店員もしっかり対応できるものをどう作っていくか、それを模索しているところです。

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