スマートフォンアプリの作成ツールである「Yappli(ヤプリ)」を提供するファストメディアは4月2日、アプリでのマネタイズ支援を強化するため、月額継続型のアプリ内課金機能の提供を開始したことを発表した。
Yappliは、企業向けのアプリ運営プラットフォームで、iOSとAndroidに対応している。あらかじめ用意されたテンプレートの中から、追加したい機能を選択するだけでネイティブアプリを作成できる。アプリ公開後もシンプルな管理画面からドラッグ&ドロップで直感的にアプリを更新できる。また、アプリストアに公開するための申請手続きなどもYappliを利用することで不要になる。現在、ヤフーや新生銀行、日本ロレアルなどに採用されており、2013年にはヤフーと提携し、「Yahoo!アプリエンジン」としてYappliのOEM提供などもしている。
同社ではこれまで、アプリのマネタイズ支援として広告配信に対応していたが、新たにアプリ内で配信コンテンツに対して毎月課金できるようになる。この第1弾アプリとして、TBSディグネットの「TBS韓流エンタメ」が4月1日に公開された。無料でダウンロードでき、月額300円の会員になると動画やニュース、写真などすべてのコンテンツにアクセスできるようになる。
今後はメディア系企業を中心に、2015年内で30社にアプリ内課金を導入したいとしている。また導入のハードルやコストを下げるために、アプリの初期開発や制作はすべて同社が無償で提供するという。さらに、企業は月々の固定費も無料で、アプリ内課金が発生した売上げからのレベニューシェアのみで開始できるとしている。
ファストメディア代表取締役の庵原保文氏によれば、YappliはモバイルEC支援アプリとしてファッションブランドを中心に導入されているという。ただし、今後はもう1つの軸としてメディア支援の事業も強化したいと考えている。そうしたアプリはロイヤリティが高いユーザーが利用し、課金もしやすいと考えられることから、アプリ内課金機能を提供することにしたと説明する。
また現在、アプリ内課金機能を搭載するアプリはゲームが多い。庵原氏はメディア系アプリの月額課金モデルが少ないことについて、アプリ開発の難易度やコストが大きく影響していると分析。「我々のプラットフォームで風穴をあける」と意気込みを語った。
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