ウェアラブルはまだ理想の域に達していないが、IDCのレポートによると、2015年はようやくウェアラブルが広範に採用される年になる可能性があるという。
2014年に出荷されたウェアラブル端末の台数は1960万台だったとIDCは述べた。2015年末には、この数字が4570万台(2014年の133.4%増)となると予想している。IDCはまた、2019年までの予測も示しているが、市場に潜む未知の可能性とテクノロジの変化を考えると、まだ早すぎるというのが筆者の考えだ。
ウェアラブルは、リストウェア型、モジュール型、着衣型、メガネ型、イヤホン型の製品カテゴリに分類されている。リストウェア型には、バンド、ブレスレット、時計がある。2014年はリストウェア型が市場の90%を上回っており、2015年には90%に近い数字になると予測される。
IDCは、サードパーティーのアプリケーションが動作するウェアラブルをスマートウェアラブルとしており、それ以外のウェアラブル端末をベーシックウェアラブルと分類している。IDCは、スマートウェアラブルの出荷台数は2014年の420万台から、2015年末までに2570万台へと増大すると予測している。「Apple Watch」は、「iPhone」と同様に、Appleのマーケティングを通じて一般の人々がウェアラブルの認知度を高め、Appleや他のスマートウェアラブルメーカーにも貢献することが予想される。
IDCでプログラムディレクターを務め、四半期ごとの世界の端末動向調査を担当するRyan Reith氏は、次のように述べている。
ウェアラブル端末の爆発的な増加は、フィットネスバンド主導でもたらされたことは明らかだ。最近までフィットネスバンドは、利益幅の大きい価格設定となっていたが、このところ状況は変化している。これらのフィットネスバンドの価格は、一部市場で大幅に下がってきており、今やスマートフォンOEMは、少ないコストでフィットネスバンドをスマートフォンにバンドルして提供している。一方、この市場は、より優れた機能くぉ備えるより価格の高い端末へと急速にシフトしている。Appleがこの市場に参入したことは象徴的だが、成功のカギは、平均的な消費者にとって魅力的な使用事例を生み出すということだ。多くのユーザーにとって、従来の腕時計やアクセサリから手首装着型の端末やその他の形態のウェアラブルに置き換えるには、それ相応の理由が必要になるだろう。こうした端末は、毎日の充電や頻繁なソフトウェアアップデートが必要になる可能性が高い。
われわれ消費者の多様なニーズを満たす実にさまざまな端末が提供されているが、どれか1つのウェアラブル端末が市場を支配する状況にはまだ到達していない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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