Logic Pro Xに特別な魅力を与えているのは、iPad用のiOSアプリLogic Remoteの機能だ。
これは、多くの音楽レコーディングソフトが従来の物理的なミキシングボードを模倣しながら、ノートのデータやオーディオファイルの波形編集ビューを同時に表示し、さらにエフェクトから信号ルーティングまで、あらゆるものをコントロールできるように、複数のポップアップウィンドウまで表示するようになっているためだ。あまりにも操作すべきことが多いため、非常にシンプルなトラック単位のレコーディングを行っているのでない限り、マウスとキーボードだけですべてをコントロールするのは難しい。
一般的な解決法の1つは、物理的なコントロールサーフェスを使うことで、これにはUSB接続できるキーボード(PC用のものではなく、鍵盤のあるもの)から、物理的なフェ―ダーやつまみ、入力端子を備えた完全なミキシングデスクまで、さまざまなものがある。こういったものは、数百ドルから数千ドルの費用がかかる上に、これらのデバイスはサードパーティー製であるため、機能や信頼性はものによってかなり差がある。
2014年のバージョン10.0で追加された、Logic Proの最高の機能の1つは、iPadをコントロールサーフェスとして使用できる機能だ。Logic Pro Xを動かしているOS Xコンピュータと、Logic Pro用アプリを動かしているiPadが同じWi-Fiネットワーク上にあれば、リンクして使うことができる。
これの大きな利点は、どちらのソフトウェアもApple製であり、最初から連携させることを前提に作られているということだ。長年、筆者は同じような形でPro Toolsをコントロールしようとしていくつかのサードパーティー製アプリを試してみたが、これほどシームレスで幅広い使い方ができるものはなかったし、それらのアプリはラグやバグ、互換性やその他の問題を抱えていた(筆者が知らないだけで、完璧なPro Tools用のiOSコントロールサーフェスアプリがあるのかもしれないが)。
一番分かりやすいiPadの活用法は、タブレットの画面をミキシングコンソールとして使うことだろう。このモードでは、フェ―ダーバンクの1つが画面に表示され(最大8つまで)、自由にバンクを切り替えることができる。iPadでミキシングコンソールのフェ―ダーを操作することには、マウスにはない大きな利点が1つある。iPadのマルチタッチ機能のおかげで、リアルタイムで複数のフェ―ダーを1度に操作することができるのだ。ノートPCやデスクトップでは、複数のトラックをリンクさせるか、トラックごとにフェ―ダーのオートメーションを記録していくしかなかった。
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