2014年、タイの無糖茶マーケットに新たに参入してきた会社が、日本で20年以上お茶マーケットNo.1シェアを誇る老舗「伊藤園」。
同社は主力SNSをFacebookと位置づけ、伝統的な日本の情報を発信し続けるというアプローチに加え、タイで人気の漫画家であるWisut Ponnimit氏が作成したキャラクター「Midori-Chan」がタイで頑張るさまざまな人にお茶を届ける動画を毎週1本発信し、話題になりつつあります。正統派アプローチがどこまで攻勢をかけるのか、日本人として期待大です。
タイと日本のプロモーションを比較した場合、タイ人は、より「ビジュアル型のライトなコミュニケーション」を好む傾向にあります。実際にタイで成功している企業の特徴は、「かわいい・面白い・欲しい」などの欲求を満たせる、わかりやすいコンテンツを継続的に提供し続けている企業が多いように感じます。
なぜそのような訴求が受け入れられるのかと考えると、その理由の1つとして、「PCを飛び越えたスマートフォンの急速な普及」が考えられます。
日本人はWindows98時代から15年以上インターネットとともに育ってきており、「セキュリティ」「情報漏洩」「過剰なアプリ課金請求」「ソーシャル疲れ」など、インターネットに対する「失敗体験」が自然と積み重なっています。
しかし、タイのインターネット普及率は、10年前まではわずか600万人(対人口比8%)程度。それまでネット環境に触れる機会のほとんどなかったユーザーが、近年スマートフォンの普及で最新デバイスが突然手に入り、今やインターネットが日常の情報の大部分を占めています。
このように、インターネットに対する失敗体験が少ないため、インターネットをエンターテイメントとしてとらえているタイ人が多いように感じます。そのため、前述のような「かわいい・面白い・欲しい」というような分かりやすいコンテンツが、タイのプロモーションでは強いのではないかと考えられます。
日本ではマーケティングの際に「こんな情報を出しても応募が来ないのでは」「キャンペーンの懸賞が露骨過ぎて、イメージが悪いのでは」「ターゲティングを明確にしなければ効果が上がらない」などと考えてしまいがちですが、わかりやすいコンテンツを、シンプルに、たくさんの人に提供することは、今のタイにおいては十分効果的です。
先日、5年ぶりにタイで盆踊りが行われました。洪水やデモなどの関係でずっと見送られていましたが、日本人を中心に1万人を超える人が参加したそうです。日本では寒波の年末に、タイでは盆踊りを楽しめる。これも暑い国ならではの経験かもしれませんね。
2006年京都外国語大学卒。
同年、株式会社インテリジェンスオフィス(株式会社リクルート正規代理店)入社。リクルーティングプランナーとして、京都で2000社以上の採用活動をサポート。
海外での転職を決め、アジア各国を回りながら就職活動を経て、2013年にアウンタイラボラトリーズ入社。
現在はタイを中心に、SEMを含むマーケティング活動を支援している。
※記事に関するお問合わせは下記まで。
広報担当 千代田/TEL:03-5803-2739 MAIL:pr@auncon.co.jp
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
すべての業務を革新する
NPUを搭載したレノボAIパソコンの実力
地味ながら負荷の高い議事録作成作業に衝撃
使って納得「自動議事録作成マシン」の実力
先端分野に挑み続けるセックが語る
チャレンジする企業風土と人材のつくり方
日本のインターステラテクノロジズが挑む
「世界初」の衛星通信ビジネス
NTT Comのオープンイノベーション
「ExTorch」5年間の軌跡