その利益は莫大な額になる可能性がある。PCやタブレットといった一部の電子機器の販売は思わしくないが、市場調査会社のIDCによると、IoT市場は2020年まで毎年平均13%拡大する見通しで、2020年には3兆400億ドル規模に達し、膨大な数のデバイスがインターネットに接続されるようになるという。
その目標を達成するための戦略は千差万別で、各社がそれぞれの強みを活かして、この新市場を攻略しようとしている。
世界第1位と第2位のチップメーカーであるIntelとQualcommは、複数の分野で取り組みを進めており、建築インフラ、自動車、スマートホームなどの複数のIoT市場で足場を固めたい考えだ。PCチップ分野のリーダーであるIntelは主にウェアラブルに注力しており、OakleyやFossilなどの衣服アクセサリメーカーと提携して、新製品の設計に取り組んでいる。IntelがCESで行った基調プレゼンテーションの見どころの1つは、ウェアラブルに組み込めるように設計されたボタンサイズのチップ「Curie」の発表だった。
スマートフォン向けチップ分野をリードするQualcommは2015年、モバイル分野の専門知識をヘルスケアと自動車に応用することに注力する見込みだ。
Qualcommの製品担当幹部であるRaj Talluri氏はIoTについて、「非常に範囲は広いが、(スマートホームやウェアラブルなど)いくつかの大きなカテゴリに分類することができる」と語った。「したがって、そのように構築すれば、実際にはそれほど広範ではない」(Talluri氏)
こうした戦略は、大企業にとっては理にかなうものだ。両社ほどのサイズと規模があれば、複数のターゲットを同時に追いながらも、手を広げすぎることのリスクを抑えることができる、とMorningstarのアナリストBrian Colello氏は言う。
Colello氏はこれらの多角的なアプローチについて、「すべての分野で勝利を収めることはできないだろうが、いくつかの分野を制する可能性はある。目指しているのは多様化なので、それで十分だろう」と述べた。
比較的規模の小さいチップメーカーは、もっとターゲットを絞ったアプローチをとっている。Broadcomの最高経営責任者(CEO)であるScott McGregor氏によると、同社はセットトップボックス(STB)分野での優位を活かして、ケーブル企業がSTBを家中の新しい接続機器のハブとして作り変えるのを支援したいと考えているという。PC用グラフィックスチップで知られるNVIDIAは現在、自動車分野に積極的に進出しており、コンピュータ化された複雑なダッシュボードと自動運転技術にチップを提供したいと考えている。
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