アジア現地駐在員マーケティングレポート

「LINEも活用」タイにO2O時代到来--スマホユーザー増加を背景に - (page 2)

齋藤陸(アウンタイラボラトリーズ)2014年12月10日 08時00分

タイにおけるO2Oの現状

 タイのO2Oについて、スマホアプリかつ店舗誘導を目的とするという観点から、現状どのようなアプリがあるのかをまとめました。

 現状、O2Oアプリという点では決して数は多くありませんが、大きく分類するとリテーラーが中心となって提供しているサービス(店舗型)と、何らかのサービスを提供している会社が、そのサービスの一環としてO2Oソリューションを提供しているタイプ(プラットフォーム型)に分類できるかと思います。


タイで提供されているO2Oに関わる店舗型アプリ

同 プラットフォーム型アプリ

 まず、店舗型のO2Oアプリとして、タイ小売大手のセントラルグループは店舗ごとにアプリをリリースしており、顧客へのセール情報やクーポンを発信できる体制を構築しています。図表中、Central Department Store、Robinson Department Store、Big C Smart Channelはいずれもセントラルグループです。ユニクロやセブン-イレブンなどもアプリ限定のクーポンやスタンプ機能のあるアプリをリリースしています。

 次に、メッセージアプリのLINEやクーポンサイトのensogoも、そのプラットフォームを通してO2Oとして活用されています。その他Stampというアプリは、citibankが提携しており、電車広告などの広告なども実施していますが、まだ加盟している店舗は少ない印象です。また、タイ通信大手のAISやSAMSUNG Thailandのように、会員限定で特典を提供するアプリをリリースしています。

 今後さらに消費が伸びていく中で、いかにして消費者に選んでもらえる店舗にしていくかがさらに重要になっていくことでしょう。その際に、オンラインとオフラインの融合、すなわちO2Oが果たす役割は大きいと考えます。

【現地の小ネタ】会社でのタイ人との関わり方

 タイの日系企業では、タイ人社員と旅行や食事に行くのが一般的です。タイ人社員は、一般的に仕事に対しては職務範囲以外のことをあまりやりたがらず、合理的な面があります。一方で、社員同士のつながりや家族的な関係を好む一面もあり、お互いの関係を良好にしていくためにもこのような取り組みを行っている企業が多くあります。なかには、200~300人の社員全員で旅行に行く企業も。

 日本で会社の上司や仲間と飲みに行かなくなる傾向が強くなっているなか、タイではある意味で日本の昭和的な付き合いのほうが好まれているというのは不思議な感覚です。


アウンタイラボラトリーズの飲み会風景

齋藤陸(さいとう りく)

アウンタイラボラトリーズ

2009年アウンコンサルティング入社。新規事業の立ち上げメンバーとして外国人向け旅行サイトの営業から企画、運営に従事。その後、主力事業である検索エンジンマーケティング(SEM)事業部の営業・コンサルティングに従事。

2012年5月より同社タイ法人に出向。タイ法人においては、日系、タイに関わらず製造業などのBtoBから、旅行、不動産などのBtoCに至るまで幅広い業種の企業を50社以上支援。クライアントのニーズに応じた課題解決を得意とする。

オフでは、タイで働いている同年代の人達と食事をしたり、旅行をしたりしている。




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