月間アクティブユーザー数が約2億7000万人におよぶSNS「Twitter」。消費者の言動や感情、興味関心をリアルタイムに把握できる同サービスは、企業にとって有力な広告プラットフォームだ。
同社では、2013年4月の米国を皮切りに、世界約20カ国で中小企業向けの広告メニューを提供している。大手企業のように広告代理店を介さず、自社でコンテンツ登録などをすることで、手間はかかるが安価に広告出稿ができる“セルフサービス式”のメニューだ。すでに小売店やECなどを中心に数千の企業に導入され、効果を上げているという。
広告主はターゲットに合わせて、ユーザーのタイムライン上に表示される「プロモツイート」、おすすめユーザー欄に表示される「プロモアカウント」、トレンド欄に表示される「プロモトレンド」のうち、どれを利用したいかを選んで設定する。効果測定ツールによって、その広告がどの程度クリックやコンバージョンに繋がったのかを把握し、内容を調整することも可能だ。
グローバルでオンライン広告チームを統括している米Twitterのリチャード・アルフォンシ氏は、「特に中小企業はダイレクトレスポンスを重視している」と語る。限られた予算の中で、広告によって取引やサインアップの数がどれほど増えているか、アプリのダウンロードやリードの生成にはどれほどのコストが掛かっているのかを注視しているという。
また、大手企業と中小企業では目指すゴール設定が異なるが、(1)広告を届けるターゲットを絞る、(2)最適なクリエイティブや文言を用意する、(3)効果測定によってパフォーマンスを把握する、という3点については共通しているとリチャード氏は言う。Twitterは、他のユーザーや著名人、企業の投稿を誰もが見られるプラットフォームであり、「広告主の規模に関係なく同じ土俵で戦えることが競合サービスとの違いだ」と説明する。
日本ではまだこのセルフサービス式の広告メニューは提供されていないが、そのパートナーにヤフーが選ばれたことは4月に発表されている。Yahoo!プロモーション広告の広告管理ツールに、Twitterプロモ商品の入稿・管理機能が追加され、スポンサードサーチやYDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)をオンラインで出稿・管理するのと同様に、簡単にTwitterプロモ商品を利用できるようになるという。
リチャード氏は、「いままさに(ヤフーと)テクノロジの連携を進めており、もうすぐローンチできる。すでに数を限定してテストを実施しているが、非常に良い感触を得ている」と手応えを語る。時期は未定としながらも、そう遠くないタイミングで日本でのサービスを開始する予定だという。
Twitterでは、日本を世界でも重要な市場と位置づけている。同社が海外で初めて拠点を構えたのも日本だった。日本では、Twitterのビジネスにおける売上げの伸び率が2012年から2013年にかけて3倍に拡大しているほか、2013年と2014年の夏を比較して、ユーザー数が倍に成長しているそうだ。この成長を後押ししているのがモバイル端末の普及だという。世界のTwitterユーザーの8割がモバイルから利用しているが、日本では特にこの傾向が強く、1人あたりのツイート数も世界平均の2倍に及ぶとのことだ。
また、日本は世界と比べてモバイルゲームの利用者が際立って多いという。「Twitter上でも多くのユーザーが友人をゲームに招待したり、攻略法をツイートでシェアしたりしている」(リチャード氏)。そのため今後は、中小企業向けのサービスに加えて、ゲーム開発会社の新規ユーザー獲得に繋げられる広告サービスも用意したいとしている。
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