優れた製品、そしてさらに優れた製品、そして最高の製品。E Ink方式を採用したAmazonの電子書籍リーダー「Kindle」シリーズは、2014年にまさにこのようなラインアップとなった。2014年型Kindleはエントリーレベルの製品、すなわち「優れた製品」という位置付けであり、米国では79ドルで販売されている。
シリーズの最上位に位置する「Kindle Voyage」(米国では199ドルで発売される)と同様に、この製品はまったく新しいKindleである(2013年に発売された第2世代の「Kindle Paperwhite」も「さらに優れた製品」としてシリーズの一翼を担っており、米国では119ドルという価格で販売されている)。ただこの製品は、Kindle Voyageとは異なり、目新しさはないし、エキサイティングなものでもない。しかし前世代のモデル、すなわち2012年に改定されたエントリーレベルのAmazon Kindleにはなかったタッチスクリーンが搭載されている。
この製品の外見は正直なところ、ノーブランドの電子書籍リーダーのように見える。とは言うものの、筆者が使った経験のある他社のエントリーレベルの製品よりもよくできている。重さはたったの6.7オンス(191g)、厚さは0.4インチ(10.2mm)であり、「ぼくは退屈な製品だけど、守備範囲の仕事については任せてくれ」とでも言っているような、実用性を追求したクリーンな設計は好感が持てる。
守備範囲の仕事とは電子書籍(そして他のドキュメント)の保存と、その内容を直射日光の下でも容易に読めるように画面上に表示することだ。Amazonは2014年型のこのモデルで内部ストレージを4Gバイトに増強した(前世代のモデルは2Gバイトだった)。ちなみに、Kindle シリーズはいずれのモデルもストレージの拡張ができない。4Gバイトという容量は電子書籍数千冊分に匹敵するため、理論的にはこれ以上の容量は要らないはずだ。しかし、PDF書籍を数多く保有したいのであれば、このモデルは検討対象から外れるかもしれない。
またAmazonは、同社の電子書籍リーダーに搭載するプロセッサの駆動周波数をすべて1GHzに統一した。このため、核となる仕様は全モデルを通じてほとんど同じとなっている。ただKindle Voyageは、他のモデルの倍となる1GバイトのRAMを搭載しているため、動作が若干高速になっている。
米国の場合、Kindle PaperwhiteとKindle Voyageでは70ドル上乗せすれば、Wi-Fi+「無料3G」版が入手できる。しかし、エントリーレベルのこのKindleはWi-Fi版のみの販売となっている。また例によって、この機器の「特典」が不要であり、広告の表示されないバージョンがほしいのであれば、他のKindle製品と同様に20ドルの追加費用が発生する。
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