Amazonは、デザイナーとエンジニアに対し、自社オンラインストアで販売しているどんな低価格タブレットよりも優れた100ドル以下のタブレットを作るよう要求したという。その結果できあがったのが、新しい99ドルの「Kindle Fire HD 6」だ。複数のカラーオプションが用意されている。
製品名に含まれている「6」という数字が示すように、これは(画面の対角線の長さが)6インチのタブレットであり、今買える中で最も小さなタブレットだ。スクリーンは1280×800のフルHD解像度(252ppi)で、内蔵メモリは8Gバイトとかなり少ない。16Gバイトモデルも119ドルで提供される。サムスンなどのタブレットと違って、Amazonのタブレットはどれもメモリ拡張の機能を備えていない。
より大型の7インチモデルである「Kindle Fire HD 7」の開始価格は、8Gバイトメモリ搭載モデルの139ドルだ。それより20ドル高い159ドルの16Gバイトモデルも提供される。Fire HD 7の解像度はFire HD 6と同じだが、ピクセル密度は216ppiでFire HD 6よりも低い。両モデルとも、2013年に発売された前世代のKindle Fire HDより画面が明るく、「Dolby Digital Plus Audio」を備え、アップデートされたAmazonの「Fire OS 4.0」(「Sangria」)を搭載する。同OSは「Android 4.4」(「KitKat」)のカスタマイズバージョンで、「Family Library」や「Firefly」、Amazonが無料で提供するクラウド写真ストレージ機能(Fireデバイスで撮影した写真用)が含まれる(注目すべきことに、2013年の第3世代Fireタブレットはすべて無料で新しいFire OS 4.0にアップグレードできる)。
Amazon製タブレットの歴史を追っている人のために説明しておくと、Fire HD 7は同社の第3世代のKindle Fire HDである。2013年に発売され、現在も販売されているハイエンドの「Kindle Fire HDX 7」と混同してはいけない。
ニューヨークで開催の新型タブレットとE-Inkリーダーの非公開説明会で、Amazon関係者は、99ドルのFire HDをサムスンの「GALAXY Tab 3 Lite」や「GALAXY Tab 4」といった他社の低価格タブレットと敢えて比較した。それらのタブレットの価格は優に100ドルを超える(Barnes & Nobleの米国限定の「GALAXY Tab 4 NOOK」は179ドルだ)。
Amazonによると、Fire HDのプロセッサ(1.5GHzで動作するクアッドコアの「MediaTek」)は、競合他社の低価格タブレットに搭載のプロセッサより高性能だという(Amazonは、グラフィックス性能はサムスンTab 4のプロセッサの3倍だとしている)。
新しいFire HDは前面と背面にカメラを備え(前面カメラは2メガピクセル、背面カメラはVGA)、8時間の「読書、音楽鑑賞、映画鑑賞、ウェブブラウジング」が可能だ。このバッテリ性能評価は前世代のFire HDと同じである。
筆者が短時間実機に触れた限りでは、動作はかなり機敏で、手に持つと頑丈な感じがした(ディスプレイは「Gorilla Glass」)。高級なタブレットという感じはせず、「Kindle Fire HDX 8.9」のような超薄型ボディでもない(7インチのFire HDの重量は前世代の7インチFireと同じだ)。しかし、99ドルのエントリレベルのタブレットとして見ると、感触や仕上げはほかの一般的なタブレットに比べて頭一つ抜けているように思える。
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