Amazonが夢に描いているのは、電子書籍リーダー「Kindle」をいつの日にか紙と同じくらい薄くすることだ。少なくとも、AmazonのKindle担当バイスプレジデントDave Limp氏はそう語っている。同氏はニューヨークで、E Ink方式の電子書籍リーダーKindleの新製品として、199ドルの「Kindle Voyage」と、開始価格79ドルの新しいエントリレベルKindleである2014年型Kindleの2機種を発表した。いずれも先行予約を受け付け中で、10月に出荷される予定だ。
その目標を達成する日がまだまだ先であることはLimp氏も認めているが、厚さ7.6mm、重量181gのKindle Voyageは、目標に一歩近づいた。一方、既存モデルの「Kindle Paperwhite」は、メモリを2Gバイトから4Gバイトに増量して119ドルで販売が継続されるが、こちらの重さは206gだ。
Voyageは、E Ink型Kindleリーダーとしては初めて前面にフラッシュガラス、背面にマグネシウムを採用したモデルであり、筆者がこれまでに使用した中で最高のKindleである。いくつかの点で似ているのが「Kobo Aura」で、こちらも同じく前面にフラッシュガラスを採用し、重量174gで仕様も近い(1GHzのプロセッサ、4Gバイトのメモリ、内蔵ライト)。また、179.99ドルの新モデル「Kobo Aura H2O」は6.8インチの防水型の電子書籍リーダーで、Voyageと同様の「Carta」E Ink HDタッチスクリーン(解像度1430×1080、265dpi)と、メモリ拡張ポートを備えている。ただしVoyageのほうが優美である。
Amazonによれば、Voyageはまったく新しいPaperwhiteディスプレイを搭載し、「今までのKindleの中で最高の解像度、コントラスト、明るさ」だという。画素密度は300ppiで、ディスプレイスタックには化学的に強化されたガラスを使用しているため、傷に強い設計だとAmazonは説明している。さらに、マイクロエッチング加工されたカバーガラスによって、光が拡散し反射を抑えられる。
フラッシュガラス設計により、タッチスクリーンの反応はKindle Paperwhiteよりいくぶん向上したとされているが、筆者は短時間しか試用できなかったため、正確な比較は難しかった。
Voyageには、圧力感知のページめくりボタンもいくつか搭載されている(スクリーンをタッチしてページをめくることもできる)。その動作は良好だった。親指をボタンの上に置いたまま、軽く押すだけで前後のページに移動できる。移動方向は上と下どちらのボタンを押すかによって決まる。ページをめくるたびに、指にかすかな振動が伝わる触覚フィードバックもあり、Amazonはこの新機能を「PagePress」と呼んでいる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス