バンドは地元シカゴの革製品メーカーが製造したものであり、ブラシ仕上げされたステンレススチール製の丸い本体の下部に入り込むようなデザインとなっている。金属製の本体部分のカラーは、ブラックと、ナチュラルなステンレススチールの2種類だ。筆者がレビューした製品はブラックの本体にブラックの革製バンドを組み合わせたものだ。革製バンドのカラーとして、他にもグレイとストーンが用意されている。なお、追加のバンドは29.99ドルとなっており、ステンレススチール製のバンドとセットになったMoto 360は2014年の秋に299.99ドルで発売される予定だ。そしてステンレススチール製のバンド自体も79.99ドルで発売される予定であり、革製バンドとの交換が可能になっている。
Moto 360の本体はバンドに比して厚く感じられ、丸い形状の文字盤は少し大きすぎると(多くの人々が好むよりも大きく)感じられる。とは言うものの、クリーンなデザインと軽やかな感じは、「Movado」が追求しているようなミニマリズムを思い起こさせる。
Moto 360の側面には腕時計の竜頭とよく似た小さなホームボタンが装備されている。「Apple Watch」のしゃれた「デジタルクラウン」とは異なり、これは単なるボタンだ。このボタンを使ってMoto 360をアクティブにしたり、スリープさせたりできるほか、押し続けた際には設定メニューが表示される。
背面はなめらかであり、中央部には緑色LEDを用いた心拍センサが装備されており、その周囲には無接点充電用の電磁誘導回路が埋め込まれている。
全体的に見るとMoto 360は未来からやって来た機器のような外見をしている。本物の腕時計のように見えるだけでなく、ある種の光り輝く丸い小さな素晴らしい何かにも見える。しかしそのエクスペリエンスは、魅力的というレベルにまでは達していない。また、期待が裏切られることも時々あった。
例えば、直径1.56インチ(約4cm)の丸いタッチディスプレイを保護するために、金属製の本体上部に少し盛り上がったかたちで固定されている「Gorilla Glass」は、とても汚れがつきやすい。またガラスの下にある、解像度が320×290ピクセルでピクセル密度が205ppiの液晶画面は明るいとはいえ、一部のOLEDディスプレイのように驚くほどきれいで生き生きした表示をもたらしてもいない。テキストは少し不明瞭であり、近くから目を凝らして見ると粗っぽさが見て取れる。
さらに、丸い形状の文字盤の下部には黒いバーがある。
このバーが目に入らない人などいないだろう。Motorolaは文字盤の形状を丸くするとともに、ベゼルの薄さを極限まで追求した結果、黒いバーで丸い形状の下部を切り取るというデザインを採用することになったのだろう。ちなみにこの黒いバー部分には、画面の明るさを自動的に調整するための環境光センサが装備されている。
この黒いバーによってMoto 360の魅力が台無しになってしまうわけではないが、非の打ちどころのない美しさを追求した時計にとって、これがとても目立っているのは間違いない。まもなくLGから発売されるAndroid Wear搭載スマートウォッチG Watch Rも文字盤が丸いものの、このような黒いバーがないうえ、ベゼルの厚さもさほど気にならない。こういった点を考えた場合、残念さにさらに追い打ちがかかる。文字盤のデザインを真っ白なものにすると、この黒いバーによって下の部分が切り取られたように見える。その結果、素晴らしいデザインが損なわれている。
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