しかし、MotorolaのアプリにもGoogleのアプリにもコーチングモードが搭載されていないため、目標心拍数を計算する手段はない。一方、別の「心拍アクティビティ」アプリを使えば、30分の適度な運動を週5日間行うという目標に基づき、日々のアクティビティを計測できるようになる。このアプリを使えば「あと15分」といった情報を提示してくれるかもしれないが、心拍数のデータを用いているのか、他の情報を用いているのかは不明であり、次に何をすべきかも分かりにくい。なお、測定精度にむらが出る時もあるようだ。心拍モニタをスマートウォッチに組み込むだけでは十分とは言えない。人々は日々の生活に心拍モニタを取り込むための支援を必要としているのだ。
その他の機能は、他社のAndroid Wear搭載スマートウォッチとよく似ている。内蔵ストレージは4GバイトでRAMは512Mバイト、音声コマンド用のマイクが装備されており、プロセッサはTexas Instrumentsの「OMAP 3」であるが、サムスンやLGのスマートウォッチに搭載されているものよりも仕様上は少し性能が抑えられているようだ。ただ、Android Wear搭載機器として日々使用する分にはパフォーマンスの違いを実感できなかった。
Moto 360やサムスンのGear Live、LGのG WatchといったAndroid Wear搭載スマートウォッチではすべて同じソフトウェアが稼働している。Googleのこのウェアラブル機器向けモバイルOSは、それぞれのスマートウォッチに搭載されている文字盤のバリエーション以外は同じだ。
Android WearはAndroid(「Android 4.3」以降)搭載スマートフォン上でのみ動作し、主にGoogle Nowを腕のスマートウォッチに送り込むための手段として機能する。また、Googleを用いた検索や、メモの作成、カレンダーへのイベントの登録、アラームの設定といった目的でAndroid Wearに話しかけることもできる。しかし、どういった内容をGoogle Nowが理解してくれているのか、あるいは理解してくれないのかが分からなくなる場合も時々ある。
なお、Android搭載スマートフォンからの通知はバナーとしてプッシュされる。これにはメッセージの到来時に表示されるものや、予測した何かを通知するGoogle Now形式のもの(現時点での通勤時間や、自宅周辺の天気、ファンであるだろうと判断したスポーツチームの試合開始時間など)もある。
通知カードはスワイプによって消去でき、ちょっとしたやり取りも可能になっているが、このような通知は再び表示されることが多い。筆者も、スワイプして消去したにもかかわらず、Twitterやスポーツの見出しが何度もスマートウォッチ上に表示されるという経験をした。Android Wearはもう少し賢くなって、同じカードを何度もポップアップしないようにする必要があるだろう。
Android Wear対応アプリは有用なものからよく分からないものまでたくさんあり、スマートフォンにインストールされると、自動的にスマートウォッチにもインストールされるようになっている。「Philips hue」というアプリをインストールすると照明のオンオフが可能となり、料理本アプリをインストールすればレシピやキッチンタイマーが使用できるようになる。しかし、こういったアプリの起動や検索、管理はややこしく難しい。Android Wearを有効利用しようとしても、その対話性はまだこなれておらず、操作性もまだ改善の余地がある。
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