健康、ダイエットの両面から、手に入れておきたいアイテムが「体組成計」だ。しかし、ここ数年で急激な進化を見せているジャンルだけに、何ができて、どう使えるかはよくわからないという人も多いのでは。ここでは体組成計、活動量計、スマホアプリの3大アイテムが、どうダイエットをサポートしてくれるかを紹介する。
ダイエットをする時、最も一般的な指標となる数値が体重。だが昨今では、ダイエットにおいて重視すべきと言われているのは体脂肪率や筋肉量だ。こうしたダイエット意識の変化から、最近人々の間で需要が高まっているのが“体組成計”だ。
そんな最近よく聞く体組成計は、体重のみならず、体脂肪率や筋肉量、推定骨量といった身体の組成の割合や量を計測できる機器。電極から微弱な電流を身体に流すことで、その電気抵抗値から脂肪や筋肉などの体組成を推定して表示する仕組みだ。
身体の重さだけでなく、自分の体内の状況をより詳しく把握することで、体重だけではわからない身体の適正な組成バランスへと導くのが目的だ。
ダイエットにおいて体重よりも体組成が重要だとされるようになった理由は、“隠れ肥満”の発見だ。ダイエットには身長と体重のバランスからはじき出される“BMI”指標があり、かつてはこれを基準に肥満度が判定されるのが主流だった。
具体的には「体重(kg)÷(身長(m)×身長(m))」の計算式で算出され、18.5以上25未満が“標準”、それ以下だと“痩せ”、それ以上だと“肥満”、30を超える場合は“高度肥満”と判定される。
しかし、実はBMIには重大な落とし穴があることが長年見過ごされてきた。というのも、身長と体重だけで単純計算されるため、そのままの計算式では同じ身長であれば体重が多ければ多いほど高い数値となるのが理屈だ。だが、実際には皮下脂肪など肥満度の目安となるのは“脂肪”の多さ。単に身長と体重から導き出されるBMI値では、脂肪の割合(体脂肪率)の多さはまったく反映されない。
一方、人間の身体は脂肪よりも筋肉のほうが比重が大きい性質がある。つまり体重だけを基準にダイエットを考えると、体脂肪率が低いにもかかわらず筋肉質の人ほどBMIが高くなってしまう傾向になり、これでは肥満度を正確に把握できない。人間の身体は同身長、同体重であってもまったく同じプロポーションにはならない。これは体脂肪率や筋肉量で左右されるからだ。年を取るにつれて、体重は変わらないのに、見た目がふっくらしてきたり、洋服がきつくなったりして不思議に思っている人は、体脂肪率で比べる必要があるということだ。
体脂肪率の平均値は性別や年齢で異なるが、一般的な数値の目安として、成人の男性で10~19%、女性で20~29%とされ、それ以上か以下で肥満や痩せと判定される。つまり、体重が基準となっているBMIで標準や痩せている判定でも、体脂肪率が高いことがあり、これがいわゆる“隠れ肥満”の状態だ。こうした数値のトリックを発見するために、体重だけでなく体脂肪率をはじめとする体組成を知る体組成計へのニーズが高まってきているのだ。
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