体組成計の現在の国内市場では、タニタ、オムロンの2大ヘルス機器メーカーと、AV機器から健康機器まで幅広く商品を展開するパナソニックが3大ブランドとなっている。
各社スペックや機能が異なる複数の商品をそろえるが、主力商品において共通したトレンドは、スマートフォンとの連携機能だ。本体にBluetoothやWi-Fiの通信インターフェースを備え、スマートフォンと直接、またはインターネット経由で接続し、アプリを通じてやり取りし、データをスマホで管理するタイプが人気だ。
体組成計においては計測したデータをいかに活用するかが肝心になるが、以前は手動でデータを入力したり、自力で記録したりする作業が必要だった。しかし、ユーザーにとってはこの作業こそが最も面倒で、ダイエットの挫折原因になりやすい。こうしたハードルを技術的に解消しようというのが通信機能を通じたスマートフォンとの連携だ。タニタ、オムロン、パナソニックの3大ブランドでは、フラッグシップモデルがそれらの機能に対応している。
一方で、対応するOSや通信方式の仕様が統一されていないというのが現状だ。現時点でAndroidとiOS向けにアプリを提供しているのがオムロン、タニタはiOS、パナソニックはAndoroidのみの対応で、スマホと連携させて使いたい場合はその時点で機種を選ぶことになる。
また、本体との通信方式は、タニタがBluetooth、オムロンがWi-Fi、パナソニックがNFCとすべて仕様が異なる。さらに、計測そのものやアプリ側で管理できる数値やグラフ化の仕様、インターフェースには各社でかなり大きな違いがある。どれも一長一短があり、使いやすさや好みは大きく分かれるといった印象だ。
一方、計測方式で主流となっているのは体重計と同じように乗るだけのタイプ。ほかにも手でバーを握って計測し、身体の部位ごとに計測もできる“グリップ”タイプの体組成計もあるが、安定した誤差の少ない計測が気軽にできる乗るだけのタイプが市場では支持を得ている。
また、ヘルスケア機器では“活動量計”と呼ばれるデバイスも2013年あたりから人気だが、同じメーカー同士の製品であれば体組成計と合わせてデータを一括管理できるなどのメリットがある。
活動量計とは日々の消費カロリーを計測し、記録できる健康管理端末。歩数や歩行距離をカウントするだけのいわゆる“歩数計”の機能に加えて、家事やデスクワークなどの動きから、睡眠など安静時の代謝も含めて1日の全活動の消費カロリーを測ることができるのが特徴だ。
摂取と消費のカロリー収支を把握し、コントロールするためのダイエットの目安となり、ウェアラブルでスマホとも簡単に連携する手軽さから体組成計以上に利用している人も多い。今回紹介している3ブランドの体組成計は、いずれも共通のアプリを介して活動量計のデータも一括した管理が可能だ。1日の活動状況と身体の変化を関連付けて分析するのに便利で、その効果をわかりやすく実感できることから、ダイエットを継続するモチベーションを維持する心理的効果が大きくなる。
“レコーディングダイエット(レコダイ)”の言葉が何年か前に流行したことがあるが、ダイエットの継続や体形維持で重要なのは数値の“見える化”。そしてダイエットにおいて最も難しく、最大の秘訣となるのも意志の“継続”。測るだけなら簡単だが、データの把握と管理をし、自ら摂生に努めることを継続するという心理的なハードルを、ネットワークやスマートフォンとの連携により手間を省くことで乗り越えることを容易にしたのが、最新の体組成計における進化の大きなポイントと言える。
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