デジタルマーケティングのカンファレンスである「アドテック東京」が9月16~18日の3日間にわたり開催された。9月17日のキーノートでは、モバイルリワードネットワークを構築するKiipの共同創業者CEOであるBrian Wong氏が「生活者の心を捉えるモバイルマーケティング」をテーマに講演した。
Wong氏は現在23歳。4年飛び級をして14歳で高校を卒業、18歳でブリティッシュコロンビア大学を卒業し、ソーシャルニュースサイト「Digg」で働き始めたが、1年足らずで解雇されてしまった。Kiipのアイデアはその後、旅行中に飛行機の中で思いついたという。
「飛行機の通路を歩き回り、人々が携帯電話で何をやっているかに注目した。起きている人間は、携帯でゲームをやるか、仕事をするふりをしていた。そこで思いついた。モバイルゲームというのは、どうしてこんなに癖になるのか、どうしてこれだけ急成長しているのか。それは目標達成のモーメント(瞬間)によるものだと思った」(Wong氏)。
Kiipは、アプリ側であらかじめ設定した目標値に達した際、特典が受けられるというもの。ユーザーが目標を達成し喜びに浸っている瞬間などに、クーポンやサンプルなどの広告を露出させてエンゲージメントを向上させている。
「自分が喜んでいるときに、バナー広告が出てきでも嬉しくないと思うはず。喜んでいるのであれば、それをもっと評価する方法があるのではないかと考えた。たとえば、なにか得点を与えるとか、なにかご褒美をあげたらどうなのか。最も喜んでいる瞬間に、自然な形でそれをできたらどうなのか。そこで、驚きと喜びというものを考えた」(Wong氏)。
この仕組みはモバイルアプリだけのものではない。Wong氏はコネクテッドデバイスでの活用を見据える。
「今後、すべてのものがインターネットにつながる(IoT)ということになれば、(目標達成などの)モーメントというのは、デバイス、チャンネル、メディア、その枠組みを超えてさらに広がっていくと考えられる。将来に向けての鍵となるのは、コネクテッドデバイスにおけるモーメントだ。
スマートフォンだけでなく、サーモスタッド、自動車、あるいは冷蔵庫も一緒だと思う。“省エネ”の目標だとか、『野菜が腐りそう』ということを知らせとか、あるいは『自動車のガソリンが切れそう』ということがモーメントになるかもしれない。
それにどう対応するか。コンシューマーの1日の生活の中に、いつでもモーメントはある。電話を始めとして、これからさらに多くのコネクテッドデバイスがこうしたモーメントを捉えていくことになると考えている」(Wong氏)。
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