放送中の長尾氏は、ただずっと水槽を映しているわけではない。音声でのナビゲーションや飼育員への質問、視聴者を楽しませるための演出などを行っている。コメントの拾い方やリアクションが面白いこともあり、長尾氏は視聴者に愛されている。niconicoユーザーによるオンライン百科事典「ニコニコ大百科」には、「長尾(運営)」も登録済みだ。
「いつの間にか『長尾は絶対許さない』というグソラーの合い言葉みたいなものができて、『え、僕がなにかやらかしましたか?』と答えるとさらに『そんな長尾も許されない』とくる感じで、すでにテンプレが確立されている。そんな運営いじりも放送の楽しみ方だったりする」(長尾氏)。
「長尾は絶対許さない」(略して『長尾絶許』とも用いられる)とは?
「(長尾氏は)いま見始めた人に向けて、水槽内の図を描いて、NO.1はこの位置、あの子はこの位置、この子はこの位置というのを定期的に紹介したりもしています。長時間の番組なだけに、いつ見てもユーザーが飽きないような作り方もいいのかもしれないです。この番組シリーズが、水族館や動物園を好きになる一つのきっかけになれば嬉しい」(西本氏)。
筆者は、4月に開催されたニコニコ超会議3で初めてダイオウグソクムシに会った。薄暗い特設スペースに置かれた水槽の底で、灰白色の甲羅の下に華奢な脚をきちんと揃えて、体をじっと落ち着けていた。瞳は黒く沈んでいて、しかつめらしい顔には不思議な温かみがあった。
深海に生息するダイオウグソクムシから始まり、チンアナゴ、コツメカワウソ、ハダカデバネズミ、パンダと徐々に陸に上がってきた動物生中継シリーズ。この先空まで昇るのかはわからないが、世界各地に棲む動物の魅力が伝わるような、楽しい番組が続くことを願っている。
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