経済産業省は、民間主導による「HEMS」(Home Energy Management System)の普及促進や、電力データの利活用を推進する「大規模HEMS情報基盤整備事業」を展開する。NTT東日本、KDDI、ソフトバンクBB、パナソニックの4社を幹事とする計20社からなるコンソーシアムで、大規模HEMS情報基盤の構築や、全国の家庭へのHEMSの導入などを進める。
東日本大震災以降の原発停止などによる電力需給の逼迫や、温室効果ガスの削減などを背景に、一般家庭での省エネやピーク対策が求められている。しかし、導入コストなどの問題からHEMSの普及は伸び悩んでおり、家庭向けのエネルギーマネジメント事業者の参入が進んでいないことが課題となっていることから、今回コンソーシアムが設立されたという。
取り組みとしては、まず大規模なHEMS情報基盤を構築する。全国約1万4000世帯のモニターを募集するとともに、モニターに対してHEMSを導入し、各家庭の電力データを一元的にクラウド管理するという。関東エリア(東京、神奈川、千葉、埼玉)、中部エリア(三重県桑名市、静岡県静岡市)、九州エリア(みやま市)、東北エリア(福島県会津若松市)を中心に実施予定。期間は、2014年9月~2015年3月の予定。
また、APIを提供して仕様の異なる複数のHEMSから円滑に情報を集約することで、各HEMS管理事業者が家庭から収集する電力関連データを、大規模HEMS情報基盤を経由して利活用したいとしている。HEMSデータ利活用事業者は同事業のモニター向けに、見守りサービス、クーポンやポイントを利用した来店サービスなども提供する予定。プライバシーに配慮した電力利用データの利活用環境の整備も検討する。
コンソーシアムでは、こうした取り組みによって電力小売に関連したさまざまなエネルギーサービスが提供される競争環境が生まれ、電力小売への新規参入が期待できるとしている。またその結果、多様な電力小売サービスや料金プランが登場し、消費者はより安価に電力供給を受けられるようになるとしている。
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