対して、ネットの場合はどうか。「テレビのように暇つぶしツールとして使うユーザーも増えてきてはいるが、情報検索端末として利用するケースは依然として多い。知りたいことがあって検索したり、目的のサイトに到達しようとしているときに『見なければならない』『見ないと前に進めない』という形で広告を差し込まれることで、ネガティブな印象を持つ方が出てきているのではないか」(奥氏)。
では今後、ネットの広告はどう進んでいくべきなのか。奥氏は「運用型広告の拡大基調が続いている。恐らく今後もさまざまな広告手法のトライアルが続くだろう。指摘されたような手法自体、ある意味では試行錯誤の一つ。そうした手法で広告サイトまで誘導した結果、例えばすぐにページを閉じられてしまうなど深層に遷移してくれるユーザーがほとんどいなければ、広告として効果的とはいえない」と語り、今後はそうした検証を元に最適な形が作られていくとの見方を示す。
広告を見てもらうために工夫することと、見なければならないマストのポジションに差し込むことは似ているようで違う。マウスポインタの位置や指の配置を計算することはギリギリ前者と言えなくもないが、要はユーザーサイドの利用シーンに配慮したデザインが重要ということだろう。
「テレビの話に戻れば、例えば『この後すぐ』的な演出やCMの前後で番組を繰り返してOAする手法などは、視聴者に評判が良くない。テレビ番組、あるいはネットの各種コンテンツといった主役に対し、いかに自然な形でリーチを高めていくか。デジタル放送時代を迎えたテレビを含め、より効果的な広告のあり方が問われてくる」(奥氏)。
特にユーザーの反応が反映されやすいネットに関しては、長い目で成長・進化を見守る、というのが現状求められる姿勢なのかもしれない。
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